ガーナ戦総評 肩の力が抜けた久保建英、居場所のなかった柴崎岳、そして上田綺世は?

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上田と興梠の共通点

 最後に上田である。前半20分、柴崎のクロスにヘッドで合わせたが、これはGKの正面を突いた。

 後半11分にはジャンプしながらの胸トラップから味方にパスをつないだ。しかしそれ以外で、上田が躍動したシーンは記憶にない。「ポストプレーで身体を張ったが相手CBに潰された」というプレーが何回あっただろうか。

 上田自身は1トップ(3FWの中央)よりも、鹿島で慣れている2トップ(4-4-2)のほうがやりやすいと話していた。

 役割を分担できるし、現在の鹿島では鈴木優磨が敵を引きつけてくれるため、ゴール前に飛び込むスペースもできやすいのかもしれない。

 チームやチームメイトとの相性もあり、上田は4-4-2のシステムでないと“生きない”選手なのだろうか(逆に大迫勇也は1トップであり、サイドやトップ下では自分は生きないと言っていた)。

 彼自身は練習から黙々と努力を続けている。にもかかわらず、なかなか結果が出ないのを見ると、かつて鹿島や浦和でゴールを量産しながら(昨シーズンまででJ1通算158得点)、代表では16試合でノーゴールに終わった興梠慎三(現・札幌)を思い出さずにいられない。

編集部注:上田綺世は12日の18時、ケガのため代表チームから離脱したと日本サッカー協会と鹿島アントラーズから発表された。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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