ガーナ戦総評 肩の力が抜けた久保建英、居場所のなかった柴崎岳、そして上田綺世は?

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居場所のなかった柴崎

 いずれにせよパラグアイ戦とブラジル戦でDF陣のメンバーはある程度固まったようなので、ガーナ戦では6月シリーズで初スタメンのFW上田綺世と、インサイドハーフに起用された久保建英、柴崎岳のパフォーマンスが大きな見どころとなった。

 森保監督はW杯アジア最終予選のアウェーでサウジアラビアに敗れると、それまで慣れ親しんだ4-2-3-1から4-3-3にシフトチェンジした。

 ボランチの遠藤を扇の要に、田中碧と今回は負傷離脱した守田英正の逆三角形を採用。攻守にインテンシティの強い3人が予選突破の原動力となった。

 そして、彼らのバックアップメンバーとして、パラグアイ戦では鎌田大地が、パラグアイとブラジル戦では原口元気が存在感を発揮した。

 鎌田は今シーズンのフランクフルトでインサイドハーフという新境地を見出し、原口はアウトサイドでもインサイドでもプレーできる器用さを併せ持つ。

 では、柴崎と久保はというと、ガーナ相手では判断を下すのは難しいが、柴崎が高い位置でドリブル突破したり、インテンシティの高い守備をできるとは思えない。

 やはり、彼はパサーなのでボランチに置きたいが、そうすると現在のシステムでは彼の居場所はどこにもないということになってしまう。

やはり“非凡”だった久保

 対して久保は、これまでは右FWでの起用が多かったが、現状では伊東純也、堂安に次ぐ3番手だ。

 しかし、インサイドハーフでは違う一面も見せた。元々バルセロナ時代はプレーしていたポジションかもしれないが、右FWに比べて肩の力が抜け、シンプルにプレーするところはシンプルにプレーしていた。

 右FWの久保は、「ゴールを決めたい」という焦りからか、カットインにしてもタテへの突破にしても、少し強引に持って入ってシュートをDFにぶつけていた。

 しかしこの日は、堂安や山根ともいい距離感でパスを回して、山根の先制点をお膳立てした。

 代表初ゴールも焦らずに1テンポ遅れて入ることでフリーになれたし、三笘のたぶんアバウトな浮き球の難しいクロスを難なく合わせるあたりも、久保の非凡な才能である。

 残り1試合だけでなく、来シーズンの所属クラブでの活躍がカタール行きの成否を握ることになるだろう。

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