「木曜ミステリー」がなくなって「科捜研の女」はどうなる? “打ち切り”はナシの「テレ朝」事情

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打ち切りはない?

「4月7日に放送された『科捜研』Season21の最終回の視聴率は、世帯が11・5%、個人が6・3%でしたが、コア層で見ると2・1%の第4位。すぐ後ろは2・0%でテレビ東京の『タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!』が迫っていました」

 民放テレビ局はスポンサーがついてくれなければ儲けが出ない。最長寿を誇る「科捜研」も打ち切りやむなし、といったところか。

「ところが、『科捜研』と『捜査一課長』の打ち切りはない、と見ている業界関係者は少なくありません」

 どういうことか。

「そもそもテレビ朝日は、1957年に日本教育テレビとして設立された教育番組専門のテレビ局でした。当初は朝日新聞社との資本関係はなく、テレビ業界への進出を狙っていた東映が日本経済新聞社や旺文社などとともに出資し、社屋も東映が持っていた土地に建てられました。そうした経緯があるため、今もテレ朝のドラマの多くが東映によって制作されているのです。『科捜研』や『捜査一課長』はもちろん、ドル箱の『相棒』もそうです。なかでも木曜ミステリーは、今では少なくなった東映京都撮影所の制作です。同枠をなくすということは、京都のスタッフの生活問題にも直結するのです」

 そうは言っても、放送する枠がなくなるのだ。

開局以来の悲願

「早朝4時から『暴れん坊将軍』を放送するテレ朝ですから、奇策があると見ますね。一案としては、BS朝日での放送です。かつてTBSも、長寿番組だった『水戸黄門』を、武田鉄矢版の新作シリーズとしてBS-TBSのゴールデン帯で放送しました。ゴールデンということなら、東映にも出演者にも顔が立ちますからね」

 ほかにも案があるという。

「火曜21時の枠です。3月までは大阪の朝日放送が制作する『トリニクって何の肉!?』が放送されていましたが、予告もなく打ち切られました。以後は『火曜プライム』となってはいるものの、レギュラー番組の拡大や特番でお茶を濁している状態です。この枠に『科捜研』を持ってくることは十分に考えられます」

 さらにもう一案。

「月曜21時という声が上がっているそうです。さまぁ~ずのクイズバラエティ『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』の枠で、数字も悪いわけではありません。しかし、最近は『10万円でできるかな』が入ったりして、毎週放送されているわけでもない。テレ朝はかつて、『ロンドンハーツ』や『アメトーーク!』でも放送枠の流浪を繰り返しました。また悪い癖が出てきたかもしれません」

 そうはいっても、「科捜研」ではコア視聴率が取れないのでは?

「テレ朝には、年間視聴率3冠王という開局以来の悲願があります。いくらコア視聴率が取れなくとも、世帯視聴率の稼げる『科捜研』は、3冠王に向けての重要なコンテンツとなり得るのです」

 それなら木曜ミステリーを続ければいい気もするが、もうひとつ大きな問題が残っているという。

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