巨人・中田翔、2度目の二軍落ち 首脳陣の「本音と建前」が「豆腐メンタル」を直撃

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「豆腐のメンタル」

 中田はメンタル面が打撃に与える影響が大きく、あるスポーツ紙記者は「とにかく中田は精神的にムラッ気があり、『豆腐のメンタル』と揶揄されることもある。メンタル次第で打撃が全然違う」。象徴的な場面は5月14日の東京ドーム中日戦だろう。

 2点差に迫った7回。直前の主砲・岡本和真(25)が敬遠された後に打席に立った中田。かつてパ・リーグで3度の打点王に輝いた右打者のプライドが許すわけもなく、1-1から投じられた3球目の甘いスライダーを仕留め、左中間席に逆転満塁本塁打を叩き込んだ。

 13日に続く巨人移籍後初となる2試合連続の1発に、完全復活を予感したファンも少なくないはずだ。

 だが、首脳陣から完全なる信頼は勝ち取れないまま、中途半端に外野練習をさせられたり、代打出場が続いたりし、結局は波に乗りきれなかった。6日に出場選手登録を抹消されるまでの5試合は代打出場が続き、10打数1安打。今季通算打率も2割1分5厘、5本塁打、20打点と振るわなかった。

人気は絶大だが……

 巨人移籍前の2020年シーズンにはパ・リーグで4年ぶり3度目の打点王に輝いた中田。昨年は古巣、日ハムでチームメイトへの暴行という、大問題を起こしてしまったものの、その人懐っこい性格と豪快なキャラで高い人気を誇り、オールスターファン投票の中間発表(6月8日)では、セ・リーグ一塁手部門で5万8094票を集めて1位に躍り出た。

 まぎれもなく、中田の選手としての魅力は豪快なバッティングと華麗な一塁守備だろう。今季、打撃不調時でも好守備で投手陣を安心させ、チームの危機も救ってきた。

 ファンが観たいのは、中途半端に出場する「左翼手・中田」なのか、あるいは出場機会は少ないものの割り切って1発にかける「代打のスペシャリスト・中田」なのか。

 まだまだ打撃が衰えていないところを見せつけ、「一塁手・中田」として輝く姿を多くのファンが待ち望んでいるのは間違いないだろう。

デイリー新潮編集部

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