ブラジルに日本の“スピード系”FWは通用せず…それでもあった収穫は?

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板倉は収穫

 そしてこの試合で評価を高めたのが、ネイマールとマッチアップすることが多かった板倉だ。身体を張ったシュートブロックを再三見せたのは、危機察知能力の速さの表われでもある。特に後半19分、カウンターでネイマールが左サイドで胸トラップからボレーシュートを放ったが、板倉はこれをニアサイドで確実に右足でブロックして左CKに変えた。戻りながらの難しいプレーをさらりとやってのけるあたり、身体能力の高さをうかがわせた。

 森保監督も「流れや1つの判断が遅れていれば、もっと失点してもおかしくなかった。ゴール前で決定的なシーンを未然に防いでくれた」と板倉を賞賛した。

 これまでサムライ・ブルーのCBは、キャプテンでもある吉田麻也が長らく務めてきた。彼がレギュラーポジションをつかんだのは2011年1月のアジアカップで、中澤佑二や田中マルクス闘莉王からポジションを奪ったのは22歳の時だった。

 ブラジル戦の板倉を見て、やっと吉田を脅かすCBが冨安健洋に続いて出てきたことは大きな収穫と言っていいだろう。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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