清原和博の長男・正吾選手、慶大野球部での“本当の実力”と、“追い風要素”

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中高野球経験なしの「4番」

 5月30日から4日間にわたって行われた東京六大学野球のフレッシュトーナメント。1、2年生だけが出場できる試合で、いわゆる“新人戦”に位置付けられているものだが、昨年秋、今年春と大きな注目を集めたのが、清原和博氏の長男である慶応大2年、清原正吾だ。全3試合に4番、ファーストで出場すると、5月31日の東京大戦では2安打2打点をマークすると、6月2日の早稲田大戦でも8回に貴重な追加点となるタイムリーを放ち、チームの勝利に大きく貢献した。【西尾典文/野球ライター】

 注目されているのは、清原氏の長男だからという理由だけではない。野球を本格的にやっていたのは小学校までで、中学と高校では野球部に所属していなかったという“異色の経歴”の持ち主なのだ。

 東京六大学といえば、全国の大学野球の中でも長い伝統と高いレベルを誇るリーグである。今回のフレッシュトーナメントに出場した選手も、東京大学を除くと、高校時代から名の知られていた選手が非常に多い。

 主な出身校を並べてみると、大阪桐蔭、浦和学院、東海大相模、横浜、智弁学園、健大高崎、花巻東といった甲子園の常連校がずらりと並んでいる。そんな中で、新人戦とはいえ高校野球を経験していない選手が4番を任せられているということは、かなり異例だと言える。

 では、このまま清原がリーグ戦でも活躍することができるのかと言えば、それほど簡単なことではない。

レギュラー定着までは“イバラの道”

 まず、下級生でも力のある選手は、フレッシュトーナメントを経験することなくいきなりレギュラーに定着するケースも見られる。同じ2年生では、法政大の篠木健太郎(木更津総合、投手)が既にエース格となっているほか、明治大の宗山塁(広陵、遊撃手)もまた、今年春のリーグ戦で首位打者に輝いている。

 また、来年以降も有望な新入生が続々と入学してくるため、下級生の頃に将来が有望視されていても、上級生になってなかなかレギュラーになれないという選手も少なくない。それを考えると、清原がこのままリーグ戦でもレギュラーに定着するのは、“イバラの道”が待ち構えている。

 筆者は、昨年秋の明治大戦、今年春の法政大戦とフレッシュトーナメントでの清原のプレーを2試合現地で取材したが、正直に言って、リーグ戦でプレーするには、まだまだ足りない部分が多いように見えた。

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