増田陸、中山礼都はレギュラーの穴を埋められるか【柴田勲のセブンアイズ】

  • ブックマーク

Advertisement

吉川尚輝が3番でいいのか

 いずれにせよ巨人の先発投手陣はこの5枚にもう1枚ほしい。赤星、横川、それに山崎では期待薄だ。若い投手よ、出てこいだ。

 6番・増田陸、7番・中山礼都、8番・小林誠司……やはり下位打線は落ちる。だが増田陸からは中田翔、中島宏之の不調を埋めようとする心意気を感じるし、中山にしても坂本勇人が抜けた穴をなんとかしようと必死だ。守備面では十分カバーしている。

 中山は体がいいし力もある。吉川尚輝タイプだ。周囲からは「いい振りをしている」という声が出るが、これは体全体で振っているからそう見えるだけだ。

 これではヘッドが走らない。突っ込んで打ちにいく。どうしても打球が中堅から左翼方向に飛ぶ。右翼へ「おっ、ホームランかな」と思う打球は飛ばないし、右に飛んでも二ゴロ、一ゴロになってしまう。

 もっとヘッドが出てこなきゃいけない。上体の力を抜き6、7分の力で打つ。ジャストミートを心がける。センター返しだ。いいものを持っている。打力がアップすれば坂本が帰ってきても1軍に残れる。

 対照的に増田陸はヘッドが走っている。思い切りのいい打撃をしている。チャンスをものにしようと気迫が出ている。

 得点力が落ちている巨人だが、中心はなんといっても4番の岡本和真だ。本塁打王争いでヤクルト・村上宗隆を1本リードしてはいるものの打点はともかく打率が低すぎる。どうしてもイメージが悪くなる。現在2割2分9厘である。せめて2割6、7分くらいまで上げてほしい。

 さて原辰徳監督は吉川尚の3番を続行中である。何度も解せないと書いてきた。1番タイプで3番タイプではないと思う。

 1番で活躍していた時から打率が約5分くらい落ちた。いまでは3割を切って、2割9分9厘だ。原監督、そろそろ1番に戻すような気がするのだが、果たして。

 7日から西武(ベルーナドーム)、楽天(楽天生命パーク宮城)の6連戦、パ・リーグの本拠地に乗り込んでどう戦うか。なんとか勝ち越してもらいたいが。

 (成績は6日現在)

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長を務める。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。