プロ野球「新・助っ人」採点【ワースト3編】 阪神、歴史的大コケの“A級戦犯”が1位に

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 圧倒的な打撃力や、相手をねじ伏せる剛速球――。外国人選手の活躍は野球ファンにとって大きな楽しみのひとつだ。しかし、実績十分のメジャー選手が、期待外れに終わることも珍しくないのがプロの世界。開幕から2ヵ月で各球団の助っ人たちの働きぶりはいかに。前回の【ベスト3編】に続いて、【ワースト3編】をお届けしたい。
※各選手の成績は5月31日時点。

【第3位】ギッテンス(楽天) 打率.000、本塁打、打点ともになし

 4月5日の西武戦で来日初出場を果たした。しかし、2打席目で空振りした際に左手首を骨折。復帰はオールスター戦前とされ、いきなり長期離脱の悪夢に見舞われた。

 伏線はオープン戦。デビュー戦で2打席とも1球も球を振らず、見逃し三振を喫した。
パ監督経験者は、「日本の投手の球筋を見極めるため、テーマを持って打席に入っていたのだろう。かつて落合(博満)さんがオープン戦で同様の調整をしていたことがあったが、実績も事情も違う。初めて対戦する投手は振ってこそ感触が分かるものがある」と苦言を呈した上で、「オープン戦での反省の意識が強すぎたのか、あの打席では振ろうとするあまり、力が入ってバットが手から離れずに痛めたとか。あまり聞いたことがないケガの仕方だ」とあきれ顔だ。

 14年にヤンキースにドラフト12巡目で入団した。マイナー暮らしが長く、メジャーデビューは昨季と遅かった。だが、16試合で1本塁打と層が厚い名門球団では結果を残せず、昨年末に楽天入りが決まった。

 その際、田中将大はツイッターに「I can’t wait!」と英語でつぶやき、ヤンキース時代にかなわかった同じグラウンドでのプレーを待望していた。

「19年に2Aで23本塁打、77打点を記録した。マイナーではそこそこ成績を残すが、メジャーではさっぱり。楽天でも2軍では7試合で打率4割7分1厘、2本塁打だった。一番上のレベルで活躍できないのは日本でも同じ。挙げ句に故障とは……。成功できない選手の典型」(メジャー代理人)

 ペナント争いが本格化する後半戦に復帰できたとしても、出番の確保は至難の業。田中の心境は、今でも共闘を待ち切れないままだろうか。

【第2位】チャットウッド(ソフトバンク) 登板なし

 メジャー通算52勝、3億5000万円で入団した。だが、1軍登板がないまま5月上旬に右肩の関節炎で一時帰国。元パ・リーグ監督経験者は、「155キロは出るという触れ込みだった速球は140キロ台そこそこ。カブスではダルビッシュ(パドレス)とチームメートで日本の野球は知っていたようだが、調整不足では話にならない。ともにソフトバンク1年目で年俸が同じガルビスも、開幕戦の衝撃的な満塁本塁打後は音なし。いずれもここまでは年俸に見合っていない」とばっさりだ。

 ソフトバンクの外国人はサファテ、李大浩、デスパイネらが活躍した一方、既に国内他球団で成功していた選手の引き抜きが多い。自前で海外から獲得した選手では、ダイエー時代にメジャー通算220本塁打と鳴り物入りで来日しながらも不可解な故障で帰国、来日を繰り返した「お騒がせ外国人」ケビン・ミッチェルという黒歴史もある。

「新外国人を発掘する能力は決して高くはない。日本人でも3年間で1試合しか投げなかった松坂大輔に12億円を払っている。巨人、阪神なら猛バッシングだが、地域密着でマスコミが寛容な球団の上、親会社に資金力があるから外国人に“外れ”が多くなるのでは」(遊軍記者)との見立ても当たらずといえども遠からずだ。

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