500万円? それ以上? 新幹線グリーン券詐欺乗車「元国会議員」の余罪はどこまで膨らむか?

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立証の壁も存在する

 もっとも、立証の壁も存在するとされる。

「山下被告は県警の調べに対し、“無料でグリーン車などに乗れた議員時代のことが忘れられなかった”“落選後も継続的にパスを使っていた”と供述しており、ただ乗りが今回だけではない可能性が高いと見られます。とはいえ、パスは自動改札を通る必要がなく、利用履歴も記録されていないので、実際にどれくらい不正乗車をしたのか立証するには壁があるのも事実。本人は実刑をなんとか免れたいという思いが強いようで、公判で供述内容をひるがえすことも予想されます」

 政治部デスクはこう評する。

「パスの私的利用は過去に何度もあり、制度に問題ありと指摘されてきた。今回もかなり大胆ではありますが起こるべくして起こったと言えるでしょう。そもそも国会議員には月に100万円の文書通信交通滞在費(現在は、調査研究広報滞在費へと改称)が支給されています。これは領収書不要で、それゆえに歳費に続く“第2の財布”などと言われてきました。月に100万円の交通費を受け取りながら、一方で無料パスが使いたい放題、おまけにパスには問題があるのに放置されたままだったというのでは国民の理解は得られないでしょう」

 一罰百戒の意味も込めて、県警は懸命な捜査を続けているという。

デイリー新潮編集部

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