日テレもフジも社長がたった1年で交代 対照的な新社長から見えてくる経営戦略の違い

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配信からも収益を

「日テレの石澤氏は生え抜きではあっても、制作現場の経験はありません。営業や編成、コンテンツビジネスといった部署を担当してきたからです」

 現場を知らないのは、現在の杉山社長と一緒では?

「石澤氏はビジネス目線でテレビ業界の今後を託すことにできる人物と期待されているようです。今年春にドラマ『金田一少年の事件簿』をディズニープラスで、『はじめてのおつかい』をNetflixで世界配信するなど、地上波の収益のみならず配信からも積極的に収益を上げるビジネスを推進していますからね」

 フジの港氏はどうだろうか。

「フジの場合はズバリ、バラエティ番組の強化でしょう。すでにバラエティが衰退していた04年に港氏が『FNS27時間テレビ』を担当した際、“フジを原点に戻す”と宣言し、『楽しくなければテレビじゃないじゃーん!!』というタイトルを付けた人ですよ」

 フジは同時に、トレンディドラマのプロデューサー・大多亮氏(63)を専務取締役に昇任させた。

「全盛期のフジは、バラエティのみならずトレンディドラマでも大ヒットを飛ばしてきました。その名物プロデューサーが大多氏です。フジの黄金期を支えた港氏と大多氏の昇格で、復活の兆しが見てきたと感じている業界人が少なくありません」

 配信などの新規事業に活路を見出す日テレと、バラエティ復権に賭けるフジ、どちらの新社長もこれまでの実績が買われての起用ということだろう。

「今後の会社方針がハッキリわかることは、社外に向けてのアピールにもなるでしょう。要注目です」

デイリー新潮編集部

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