46歳「高学歴風俗嬢」が苦しむ逆差別 ハードワークの日々で求める“癒し”と“夢”

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「君の学歴では勿体ない」

 彼女ほどの学歴があればまともな企業に就職できるのではないか。私でなくても、そんな疑問が浮かぶはずだ。

「大学卒業した時がちょうど就職氷河期で。たくさん受けたんですけど、どこも受からなかったんです。どの会社も『君の学歴でうちの会社には勿体ない』といわれました。でも『私は昼職に向いているのだろうか』っていう迷いを読まれていたのかもしれませんね」

 本人はこう言うが、いくら氷河期とはいえ……である。

 紘子のように大学在学中に身体を売る女性は、近年、増えている印象がある。授業料を稼ぐため、奨学金を返済するため、といった事情だ。大卒の肩書が無ければ一流企業には受からないことは分かるが、学歴のない私からすれば、自分の体を売ってまで学歴が欲しいことが不思議でならない。そんな私の疑問を紘子は超越している。3度大学受験し、手に入れた学歴を活かすことなく、風俗業界で働き続けているからだ。

 往々にして、風俗などを利用する男は「学歴もない、こんな仕事しかできない女たち」と女性を蔑むことが多い。そういう男は風俗でしかマウントを取れないのだろうし、女性としてもお金さえもらえればいくらマウントを取られてもいいだろう。だが紘子の場合は、むしろ「学があること」が足を引っ張り、なかなかいい条件の店に採用してもらえないという。「君の学歴では勿体ない」という、大卒時に面接官から聞かされたものと同じ理由で。

 若い時期は良い条件のソープで稼げたが、やがてそれも難しくなっていく。もちろん学歴のせいだけではなく、46歳という年齢もあってのことだが、いまの紘子には前述した激安デリヘルしか行き場がない。

 現在、家賃10万7000円、駅近オートロック宅配ボックス付きのマンションに住んでいる。貯金はゼロ。不安はないのか。

「ありますよ。もの凄く。もう安定が欲しくて欲しくて、先月も昼職の面接に行きました。時給900円のライブハウスです。私はイケメン好きでもあり『隠れバンギャ』なのでバンドマンと知り合いになれるし、一石二鳥かな、って。でも、そこでもまた『君みたいな高学歴の方にはうちには勿体ない』と言われてダメだった。それでまた精神的に落ちちゃって。やっぱり私には風俗で頑張るしかないんだな、って思い直しました。50歳までは頑張ろうって」

 大学を出てよかった、いまの仕事に活かせることはないのか、そう問うと、

「私、写メ日記(※風俗店舗のサイトに掲載される所属女性のブログ)が得意なんです。結構、それを見て指名してくる方が多いですね。他の子と違って私の写メ日記は、官能小説のようにストーリー性を持たせて書くようにしてます。それで写真で魅せて言葉でも魅せる、みたいな」

 大学生の時に、サークルで書いたエッセイが佳作を取った。その文才が活かされていると胸を張る。

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