審判がプレーを見ず当てずっぽうでジャッジ…「疑惑の判定」で監督がブチ切れた3つの試合

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まさかのゲームセット

 プロ野球の審判といえども人間。時にはジャッジに迷うこともある。そんな心の葛藤が中途半端な動作になって表れたり、自信のないジャッジを押し通した結果、混乱が生じ、“疑惑の判定”として物議をかもすことになった“事件”があった。【久保田龍雄/ライター】

 審判の“中途半端な動作”が原因で、9回1死満塁のチャンスが、7-5-4の珍併殺で、まさかのゲームセットになったのが、2018年5月27日の阪神対巨人である。

 0対9とリードされた巨人は9回、先頭の坂本勇人の安打を足場に、岡本和真のタイムリーで1点を返し、最後の意地を見せる。さらにマギーと亀井善行の連打で1死満塁とチャンスを広げ、次打者・長野久義はレフト後方への飛球。犠牲フライに飛距離は十分だった。

 ところが、捕球した中谷将大が送球動作に入ろうとしたときに、ポロリと落球してしまったことから、直接捕球か落球か、判断がつきかねる状況となった。左飛と判断した三塁走者の岡本は、タッチアップから本塁を狙い、二塁走者のマギーと一塁走者の亀井は帰塁したが、土山剛弘三塁塁審の判定は、なんと「ノーキャッチ」。しかも、いったんアウトのジェスチャーをしかけてから、「セーフ!」と両手を横に広げたから、紛らわしいことこの上なかった。

 マギーと亀井はすでに帰塁しており、どうにもならない。ボールは中谷から三塁、二塁に転送され、いずれも封殺アウト。あっという間に併殺でゲームセットとなった。

審判に“喝”!

 岡本の生還はもちろん認められず、長野も犠飛が付かなかったため、レフトゴロになる珍事。「完全捕球ではないか?」と高橋由伸監督が怒り心頭で抗議したが、本田英志球審に「リクエストの対象ではありません」と突っぱねられてしまった。

 思わぬドタバタ劇に、6月3日の「サンデーモーニング」に出演した巨人OBの張本勲氏は「早めに(ジャッジを)出してやらないと。選手は見にくい場合があるんだから」と土山審判に“喝”を出した。

 土山審判といえば、11年4月20日の同一カードで、阪神・ブラゼルの二飛を巨人・脇谷亮太が落球したにもかかわらず、アウト(完全捕球)と誤審した一件を覚えているファンも多いはずだ。

 あれから7年後、同じ甲子園の伝統の一戦で、またもや落球騒動が起きようとは、何やら因縁めいているが、巨人にとっては、前回の有利判定のツケが回ってくる皮肉な結果になった。

 一度は本塁打と判定した審判が、一転ジャッジを翻したことから、打者走者がタッチアウトになるトラブルが起きたのが、03年4月30日のヤクルト対横浜である。

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