東洋建設TOBで甦る「前田建設」と「前田道路」の仁義なき「親子喧嘩」 訃報とともに号砲

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中興の祖

「インフロニア・ホールディングス」が「東洋建設」のTOB(株式公開買い付け)を開始したのは今年3月のこと。インフロニアは、「前田建設工業」と「前田道路」、「前田製作所」が経営統合して設立された持ち株会社。そのTOBに、任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス」(YFO)が待ったをかけた。

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 横槍を入れられたインフロニアがこのまま終わるはずがない。なにせ、身内である前田建設と前田道路の壮絶なバトルの末に統合にこぎつけた経験があるのだ。

「親子喧嘩」と称されるTOBの号砲が鳴ったのは、2020年1月。前田建設がグループ傘下の前田道路にTOBを実施したところ、猛反発を食らったのである。

 そもそも、「前田」の名を冠するようになった前田道路の旧社名は「高野組」。アスファルト舗装工事の草分け的存在だったが、1962年に経営危機に陥り、会社更生法の適用を申請した。再建の支援をしたのが前田建設だ。

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