巨人「大勢」 高校は駅伝の名門、大学時代は右肘のケガから如何にして復帰したか

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スカウトからの高い評価

 スカウトから181センチ88キロの恵まれた体格から投げ込まれる威力のある直球が魅力のパワー型ピッチャーとして「モノが良くて球が強くてポテンシャルがある。荒削りなだけに、伸びしろしかない」との高い評価を受けていた。大学1年時にサイド気味のスリークォーターに変えた投球フォームも「横手気味であれだけスピードが出るのは武器。上位候補の一人」と高評価だった。そんななか、最も熱い視線を送っていたのが、他ならぬ読売のスカウトだったのである。「力のあるストレートが魅力のサイドスロー右腕。馬力があり、落ち球のフォーク2種類とチェンジアップが武器。即戦力として先発ローテーションに入れる素材」とドラフト数日前に外れ1位候補としていたのだ。

 そして、実際4球団が競合した隅田知一郎(埼玉西武)の抽選を外した読売から1位で指名された。当初、球団側はローテーション投手として育てていくつもりだったが、原辰徳監督がオープン戦途中で方針転換。1イニングを任せたときの無双ぶりに「リリーフの方が合っている」と判断したわけだが、まさにその英断が“吉”と出たのだ。実は読売のドラ1投手がルーキーイヤーからいきなり1軍で活躍するのは12年の菅野智之以来である。このときの菅野は惜しくも新人王を逃しているが、このままセーブを積み重ねていけば、大勢の新人王がグッと近づく。同時にそれはチームの2年ぶりのリーグV奪回にもつながるはずだ。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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