なぜ「食い逃げ」「持ち逃げ」が起きない? 餃子からファッションまで…「無人販売」が流行

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コロナが終息した後は?

 現在、都内で3店舗を運営し、2月にはリメークした洋服や雑貨を扱う「ザッカトフクヤ」も新宿にオープンさせた。こちらはハンドメード作家に“棚貸し”する無人シェア店舗。今後はSDGs(持続可能な開発目標)の観点から、古着類も再構成して提案していく予定だという。

 ではこの先、コロナが終息しても無人店舗の勢いは止まらないのか。平野さんはこう考える。

「有人でも無人でも、本質はお客さまが喜ぶサービスを提供すること。単にはやりにのっただけの店や本質がしっかりしていない店は淘汰されるのでは」

 その「お客さま優先」を重視し、利便性のために無人どころか会計レジも料金箱さえもない“究極型”がついに登場した。

会計は“好きな時”に

 東京・丸の内で昨年11月にオープンしたサラダ専門店「CRISP STATION(クリスプ・ステーション)」。場所は丸ビル地下1階の食品フロア。冷蔵庫に並ぶ8種のサラダから「選んで持っていくだけ」だ。

 迷わなきゃ所要時間たった2秒。

 で、支払いはといえば、商品パッケージに付いているQRコードをスマートフォンで読み込み、クレジットカードなどで決済する仕組み。丸の内エリアはオフィスワーカーが多く、限られたランチ時間でレジに並ぶ数分を惜しむ人も少なくない。これなら、食後など好きな時に会計できて無駄な時間ゼロ!

 運営する「CRISP」広報の坂井奈央さんが説明する。

「皆さんの大切な時間を有効に使ってもらうため、食べたいと思った瞬間から食べるまでをいかに短くできるかを追求したトライアル店です。多い時で1日120食売れることもあり、ニーズを実感しています」

 食べるだけ食べて支払わない不届き者もいるのではと思ってしまうが、未払い続出なんてことにはならず、それどころか「うっかり容器を捨てて支払えない。どうすればいい?」という問い合わせも多いそうだ。

 やはり恐るべし、日本人の生真面目さ――。

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