増える「ぼったくり」お葬式 コロナのデマで25万円上乗せ……現役葬儀社社長が明かす業界事情

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葬儀の簡略化

 高額請求が増えた背景には、葬儀業者のこんな厳しい実情があるという。

「感染のリスクがあるので、葬儀で大人数が集まることが難しくなっています。人が少ないなら祭壇は小さくして、『通夜振る舞い』で食事をする場を開かずに簡単に済ませてしまうことが増えました。不景気の影響で葬儀を簡略化する流れは以前からありましたが、コロナ禍がそれを一気に後押ししてしまい、葬儀社はどこも懐が厳しい状況です。とはいえ、説明も無しに高額請求をするのは、同業者としてありえないと思います」(同)

 また、そもそも葬儀を行わないケースも増え、遺族間のトラブルに発展することもしばしばあるそうだ。

「高齢の兄弟はどうせ集まれないから、と亡くなったことすら知らせもしない人が増えています。喪中はがきが来て初めて知って、どういうことだと怒ってトラブルになったということも聞いています。これまで通りの形は難しいとしても、事情に合わせて様々な形で故人を弔うことは出来ます。葬儀は、これまでの歴史と共にブラッシュアップされて今の形になっているのですから、大した意味合いは無いように感じたとしても、簡単に省略してしまえばいいといったものではありません。儀式の通りに弔うということも、非常に大事だと思います」(同)

デイリー新潮編集部

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