中日のエース候補 19歳「高橋宏斗」はなぜ急成長したのか

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中日のエースナンバー「20」を背負えるか

 高橋が今シーズン、マークしたストレートの最速は153キロだが、これは高校時代と同じ数字である。スピードガンの数字は変わらないのに、一軍の打者を相手にも抑えられるようになったというのは、やはりボールそのものだけではなくフォームの変化によるものが大きいのではないだろうか。

 また、ここまで最も多く三振を奪っているスプリットも大きな武器となっている。前出のプロスカウトが指摘するように、もうひとつ決め球となる変化球があれば、より攻略が困難な投手になる可能性は高いだろう。

 中日黄金時代のエースだった吉見一起から背番号19を受け継いでいることからもチームの高い期待が伺えるが、中日のエースといえば、やはり杉下茂、星野仙一、小松辰雄などが背負った「20」という印象が強い。その背番号20は18年以降空き番号になっており、高橋にその番号を背負ってほしいと願うファンも多いのではないか。投手王国の“真のエース”になることができるのか。今後のピッチングにぜひ注目してもらいたい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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