中田翔の打率はわずか1割9分4厘 どこがダメなのか【柴田勲のセブンアイズ】

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投手はやはりコントロール

 これはもうただただすごいと言うしかない。ロッテ・佐々木朗希投手(20)がまたやった。17日の日本ハム戦(ZOZOマリンスタジアム)に先発して8回まで14奪三振のパーフェクト投球だ。

 1週間前の10日には、巨人の槙原寛己投手以来28年ぶりの完全試合を達成したばかりだ。両軍無得点だった8回、102球で降板した。疲労を考えてのことで、規格外の能力があればあるほど故障のリスクも高まる。先をにらんで大事を取ったのだろう。球界史上初となる2試合連続の完全試合はならなかったが、仮にロッテがリードしていたら続投させていたと思う。
 
 投手はやはりコントロールだ。160kmを超える真っすぐや切れ味鋭い変化球を持っていても、最後の決め手はコントロールだ。四球を出さない。ストライクが取れる。第一条件だ。改めて証明した。

 3日の西武戦から3試合をまたいで打者52人を抑えている。世界新で継続中だ。久々に客を呼べる投手が出現した。どこまで記録を伸ばせるか楽しみだ。

1985年のバックスクリーン3連発

 巨人が12日からのDeNA(沖縄セルラースタジアム那覇)、阪神(甲子園)5試合を3勝2敗となんとか勝ち越した。阪神には連敗で迎えた17日に勝利して3タテを免れた。3タテされていたら4年ぶりのことで阪神にこれ以上ない勢いを与えていた。

 17日、阪神の糸井嘉男が2回、赤星優志からバックスクリーンへ先制の3号ソロを放った。この一発を見て、37年前(1985年)の同じ4月17日、ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布のバックスクリーン3連発を思い出した。開幕直後、3連戦の2戦目だった。

 王(貞治)さんが監督2年目で、私は外野守備・走塁コーチだった。打たれたのは最近佐々木朗の完全試合達成で注目を集めている槙原だった。
 
 3連発、しかもバックスクリーンだ。ビックリした。阪神はこれですっかり勢いづき、21年ぶりの優勝につながった。巨人ファンにとって長嶋(茂雄)さんの天覧試合でのサヨナラ本塁打、王さんの世界新記録となる通算756号がいまでも語り草になっているように、阪神ファンはこれから先も語り継いでいくのだろう。

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