抜擢早々に活動自粛… 乃木坂46「中西アルノ」がセンターに選ばれた“意義”

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早すぎる抜擢のワケは

 なぜ、これほど早く中西はセンターに抜擢されたのか? 例えば3期生の大園と与田、そして4期生の遠藤がセンターに抜擢されたのはともに夏に発売された曲であった(センター抜擢だけでなく、同時に表題曲の初選抜でもあった。さらに遠藤がセンターを務めたときは、同じ4期生の賀喜遥香と筒井あやめがフロントメンバーとして両脇を固め、初選抜入りを果たしている)。夏の曲は16年7月発売の15thシングル「裸足でSummer」で初めて齋藤飛鳥がセンターに起用されたように、“抜擢センター曲”の意味合いも含まれている。その傾向を考えると、今年の夏に発売される新曲で5期生をセンターに起用……というのが自然な流れ。だが、次の曲は乃木坂にとって記念すべき30thシングルなのである。いわば勝負曲といっていい。この節目の楽曲のセンターは、やはりグループが刻んできた歴史を象徴するようなメンバーで、センター経験者の齋藤飛鳥に託そうと考えてもおかしくない。

 そうなると5期生の初選抜&初センターは、次の次の曲になってしまう。ならば、1曲早いタイミングではあるが、思い切って5期生の初選抜と初センターを実現してしまおうと運営は考えたのではないだろうか。また、グループは今年2月22日にデビュー10周年を迎えた。3月23日に発売された「Actually…」は次の10年に向けてのスタートを切る楽曲となる。そのセンターにこれまでにいないタイプのメンバーを置くことで、乃木坂46の“新境地”や“新たな一面”を開拓しようとする狙いもあったのではないか。

 中西の活動自粛で出鼻をくじかれた感があるが、それでもグループは歩みを止めることはなかった。「Actually…」が齋藤飛鳥と山下美月をWセンターとする新たなフォーメーションで再構築され、NHKの音楽番組「シブヤノオト」で披露された。パフォーマンスは齋藤と山下が手を合わせ、2人で歌い出すところからスタート。2人が中心となり、クールなメロディに合わせ、しなやかで激しいダンスを披露。“乃木坂っぽさ”を残した新たな「「『Actually…」の誕生であった。しかしこれはやはり完成形ではない。新フォーメーションがWセンターということは“真ん中”が空いているということでもある。席を空けて中西の帰りを待っているのだ。中西アルノが戻ってきたとき「Actually…」は完成するのである。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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