いよいよ始まる期待の「春ドラマ3選」 キムタクはボクシング部コーチ役でクサいくらいの熱い作品に

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

 4月期ドラマが始まった。プライム帯(午後7時~同11時)の新作は14本。多くの人は全てを観る余裕がないのではないか。そこで特に面白そうな作品3本をご紹介したい。

TBS「日曜劇場 マイファミリー」(10日スタート、日曜午後9時)

 主人公はゲーム会社CEOでテレビ番組のコメンテーターも務める鳴沢温人(二宮和也、38)。富も名声も手に入れ、妻の未知留(多部未華子、33)とも仲睦まじく、誰もが羨む暮らしを送っていた。

 ところが、1人娘で小6の友果(大島美優、12)が誘拐されてしまう。犯人から要求された身代金は5億円。社長で有名人なので余裕で支払えそうだったが、実際には違った。会社の内情は火の車なのだ。

 理想の夫婦に見えていた温人と未知留の関係にも問題があるらしい。誘拐への対応も意見が合わない。温人は保有する会社の株を売ろうとするが、未知留は金を借りようとした。友果は無事に帰って来るのか――。

 ドラマも映画も大切なのは「1に脚本、2に役者、3に演出」。国内外を問わず、古くからの鉄則である。当たる作品は例外なく脚本が良い。この作品の場合、脚本は2021年の「TOKYO MER~走る救急救命室~」(TBS)などを書いた黒岩勉氏(48)が担当する。テンポが良く、見せ場をつくるのに長けた人だ。

 この作品は愛娘の誘拐という設定を使い、「一番大切なものとは何か?」を問う。同じく誘拐が描かれた作品だったものの、テーマが貧者の嫉妬と怒りなどだった黒澤明監督の「天国と地獄」(1963年)とは全く異なる。新鮮だ。

 二宮の演技力に定評があるのはもはや説明するまでもないだろう。演技に極めて厳しい脚本家の倉本聰氏(87)にも買われている。多部はこの作品では助演にまわったものの、2020年の「私の家政夫ナギサさん」(TBS)などで主演を張ったのは知られている通り。やはり演技力のある人。目の動き、さりげない仕草で感情を出せる。

 実力派2人がメインなので見応えのある場面が続くはず。ともにローティーンから演技の基本を学んだことが実を結んでいる。

 多部だけでなく、この作品には主演級の役者が助演で続々と登場する。誘拐の捜査に当たる神奈川県警捜査一課の葛城圭史警部に扮する玉木宏(42)、温人と関係が深いネット会社COO・阿久津晃役の松本幸四郎(49)、温人の大学時代からの親友で弁護士・三輪碧役の賀来賢人(32)、同じく親友の元刑事で現在は警備会社に勤務する東堂樹生役の濱田岳(33)だ。

 豪華布陣である。制作費が相場(3000万円弱から4000万円以下)の1.5倍以上ある「日曜劇場」ならではである。

 チーフ演出は「クロサギ」(2006年)、「新参者」(2010年)などを手掛けたベテランの平野俊一氏(49)が担当する。

次ページ:テレビ朝日「未来への10カウント」(14日スタート、木曜午後9時)

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。