安倍元総理の「ゼレンスキーとの友好関係」アピール 過去には“プーチン詣で”に執心

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 帝政ロシア期の外交官にして詩人が物した以下の詩は、ロシアの不可解さを表す言葉として昔から世界的に有名で、数多(あまた)引用されてきた。〈ロシアは、頭では分からない/並の尺度では測れない/何しろいろいろ、特別ゆえ〉。安倍晋三元総理もあの人物に、この歌を捧げているのだが……。

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 詩は四行詩で本来はこう結ぶ。

〈ただ信じるだけだ〉

 しかし2019年、ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムでスピーチした安倍氏は、末尾を次のようにアレンジした。

〈ただ信じる。それがロシアとの付き合い方だ〉

 その“信じる外交”の結果はいかほどだったか。

「ロシアは3月21日、一方的に平和条約交渉を中断すると通知してきました。日本はこれまで、安倍氏肝入りの平和条約交渉に向けた対ロ経済協力費として、過去6年間で200億円の血税を投入してきたのですが……」(政治部デスク)

 貢いだものが水泡に帰したやにも映るが、元総理がここに至って取った行動は、

「ゼレンスキーとの2ショットを自身のツイッターに掲載して、かねてからウクライナとも強い友好関係を築いていたかのように振る舞っています」(同)

 あっさり“救国のヒーロー”に乗り換えていたのだ。フットワークの軽さには、目を見張るものがあろう。また一方で、月刊誌では自身への批判にこんな反論も。

〈プーチン大統領と何度も会談するのは当然であり、非難の意図が全くわかりませんね〉

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