「出前館」創業者が自叙伝に書かなかった転落人生 収監逃れのための「借金」踏み倒しと「パトロン」

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「奇跡が起きた」

 フードデリバリーサービス「出前館」創業者の花蜜幸伸(はなみつこうしん)氏。その紆余曲折の半生を綴った自叙伝が今年2月に出版されたが、肝心な部分が脚色されているようなのだ。

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 花蜜氏は、出前館の株式取得をめぐり、他人名義で売りと買いの注文を同時に繰り返した手口などが金商法違反(相場操縦)に問われ、東京地検特捜部の捜査を招いた。

 在宅起訴された花蜜氏は最高裁まで争った末、2018年10月、懲役3年執行猶予4年、罰金2000万円と追徴金1億2928万円が確定。結果として、追徴金は分割払いが認められたものの、刑罰として科される罰金は一括納付しなければならなかった。納付期限は19年3月18日。花蜜氏は土壇場で刑務所行きを逃れられたのだが、自叙伝ではこう描かれている。

〈奇跡が起きた。出頭する当日に、大きめの金額を出して助けてくれる人が現れたのだ!(略)約束の時間の、なんと2時間前だった。(略)僕は、最後に資金を出してくれた恩人と一緒に、東京高等検察庁に出頭することになった〉

 しかし、以下の経緯にはまったく触れられていない。

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