Netflix製作の韓国映画に“日本人悪役”で出演する「有名俳優」 “反日映画”に出演して批判された過去も
韓国映画をヒットさせる条件の一つに、“日本を敵にする”テーマ選びがあるという。だが、その度に製作陣の頭を悩ますのが、「日本人悪役」探しだ。4月に配信がスタートするNetflix製作の新作では、懐かしの学園ドラマに出ていたあの俳優が、またもや“冷酷な日本人役”を演じる。
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【写真】3年前、史実を歪めた“反日映画”「鳳梧洞戦闘」に出演して批判された日本人俳優
大物俳優を連れてこい
「一昔前までは日本人役も韓国人が演じていました。見た目は似ているので不自然ではないのですが、問題は言葉の壁。どうしても、そこでリアリティが損なわれてしまうのです」
こう語るのは、韓国の映画関係者である。
韓国で歴代最高の興行収入記録を誇る作品が、2014年に公開された『バトル・オーシャン 海上決戦』だ。豊臣秀吉の朝鮮出兵をモチーフにしたアクション映画で、韓国では1700万人もの観客を動員した大ヒットとなった。だが、日本人が観たら誰もが違和感を覚えるに違いない。執拗に日本人を悪し様に描いている点もさることながら、日本人武将を演じる韓国人俳優の日本語があまりに辿々しいからである。
「韓国では歴史物を中心に、日本人をヒールに仕立てた映画がヒットする傾向にあります。韓国人に根付いている反日感情を大きく刺激するからです。ただし、最近は世界市場に耐えうる作品を作らねばならなくなり、韓国人俳優では務まらなくなりました。知名度のある本物の日本人が求められるようになったのです」(同・芸能関係者)
批判を浴びた「反日映画」
とは言うものの、“反日”のレッテルが貼られかねない韓国映画に出たがる俳優は数少ない。日本人俳優のキャスティングに長年携わってきた韓国の芸能関係者は、2年前に届いたあるリストを見て驚愕した。そこには、大手動画配信会社が製作する新作で、演出側が希望する日本人俳優の名前が並んでいた。
「真田広之など、誰もが知っている超一流ばかり。要求度がここまで上がっているんだと知ってびっくりしました。『カネに糸目をつけないから、本物の一流俳優を連れてこい』という感じなのです」
そのリストが想定していた新作映画こそが、4月8日からNetflixで世界独占配信される『夜叉―容赦なき工作戦―』である。中国・瀋陽を舞台に、日韓の激しい諜報戦が繰り広げられるスパイアクションだ。主役の韓国人検事と激しくぶつかるのが、公安調査庁のロビイスト・オザワ。紹介文には、「冷酷なアジア最強のスパイという裏の顔を持つ」とあり、いつもながらの日本人悪役のようだ。結局、白羽の矢が立ったのは池内博之(45)であった。
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