山崎、赤星、大勢三投手のどこを巨人首脳陣は評価しているのか【柴田勲のセブンアイズ】

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坂本が復帰すると打線の厚みが違う

 開幕投手の菅野智之は6回を被安打7、2失点で白星を手中にした。気合が入っていたし球威もあった。エースらしい投球だった。

 だが、ストライクゾーンが打者のベルト寄りに集まっていた。真っすぐやスライダーをベルトの一つ二つ下に下げる。打たせて取る投球も今後心がけてほしい。

 打線も期待できそうだ。主将・坂本勇人が27日、左わき腹の故障から復帰すると先制のタイムリー二塁打を放つなど4打数4安打でチームを引っ張った。甘い球を見逃さなかった。さすがだ。

 坂本が復帰すると打線の厚みが違う。新外国人のグレゴリー・ポランコは守備・走塁は心もとないがコンパクトに振るし、なによりパワーもありそうだ。

 内角攻めを気にしているようだが、あとは慣れだ。厳しい球を狙うのではなく、坂本のように甘い球を見逃がさないことだ。

 岡本和真に早くも一発が出た。27日、柳裕也から内角の真っすぐを捉えた。難しい球をうまく打った。4番らしい打撃だった。

4、5番コンビを中心に3試合で16点

 中田翔も体調がよさそうだ。やはり27日に柳の真ん中から外寄りのスライダーを左翼へライナーで運んだ。身体に切れがあればこそで巨人移籍2年目の今シーズンは大いに期待できるのではないか。

 岡本和、中田の4、5番コンビを中心に3試合で16点を奪った。ここで提案だが3番・ポランコと6番・丸佳浩を入れ替えてはどうか。丸には足がある。2番・坂本、3番・丸、4番・岡本和、そして5番・中田、6番・ポランコと続く打線は相手チームにとっては脅威だ。

 巨人は29日から開幕3連勝のヤクルトと神宮で3連戦、4月1日からは東京ドームに阪神を迎えての3連戦だ。

 気になるのは投手陣だ。先発要員の山口俊はファームだし、特に心配な中継ぎ陣は昨季、勝ちパターンを担ってきた中川皓太、チアゴ・ビエイラ、鍵谷陽平がファームで調整を続けている。

 しかし、ここは現在いる中継ぎ陣で戦っていかねばならない。四死球を減らしてもらいたい。自滅パターンは見たくない。

 いいスタートを切った巨人に注目だ。

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長を務める。

デイリー新潮編集部

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