王者・大阪桐蔭に新星現る…“188センチの大型右腕”川原嗣貴が快投 4年ぶりの優勝へ好発進

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「上背があるというのは魅力」

 一方、プロのスカウト陣は、川原をどう見ただろうか。近畿地区担当のスカウトは、高く評価しているようだ。

「昨秋に比べると、ストレートも変化球も全て良くなりましたね。(身長が188cmと)体も大きい割に、コントロールも悪くない。やはり上背があるというのは魅力があります。昨秋までは、大学に進学するだろうと思ってしましたが、夏に向けてスピードが上がってくると、(今秋のドラフト指名の)対象になるかもしれませんね」

 今大会の大阪桐蔭は、「1週間500球」という球数制限が設けられた影響があり、日程的に最も厳しいゾーンに入っている。西谷監督は「先のことは考えずに1戦1戦戦うだけです」と話していたが、昨年の秋に主戦だった前田を温存して、難敵の鳴門を破り、さらに、川原という“もう1人の柱”が確立できたことは極めて大きい。

 4年ぶり4度目の選抜優勝に向けて、王者・大阪桐蔭の“視界”がよりクリアになったと感じさせた、初戦の戦いぶりだった。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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