セ・リーグ順位予想 ヤクルトの連覇は厳しいと見た【柴田勲のセブンアイズ】

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中日は投打のバランスが悪い

 昨季は最下位から日本一となったヤクルトだが3位と見た。巨人、阪神が調子を落とした時にチームの状態が一気に良くなった。非常にラッキーな面があった。

 奥川恭伸、高橋奎二らの先発陣、救援陣も充実している。打線は山田哲人、村上宗隆を中心に強力だ。だが投打で目ぼしい新戦力の台頭に欠ける。長丁場の戦いに影響が出る可能性がある。連覇は難しいのではないか。

 最下位だったDeNAは4位か。東克樹、大貫晋一やフェルナンド・ロメロといった先発要員はいるが上位と比較すると厳しい。

 昨季は外国人選手の来日遅れが響いたが、今季もネフタリ・ソト、タイラー・オースティンが開幕直前に離脱したのが痛い。3割打者が並ぶ打線は強力だが水ものだ。総合力からAクラス確保は難しいと見たが。

 立浪和義新監督の中日は5位とした。同監督は野球をよく知っている。頭もいい。だが今季も苦戦すると思う。投打のバランスが悪すぎる。昨季投手陣は12球団トップの防御率だったものの打線はリーグ最低の打率に終わった。頼りは主砲のダヤン・ビシエドで現有戦力の底上げを狙う。でもバランスが悪いと10、20試合はともかく、そのうち悪影響が必ず出る。とにかく得点力を上げたい。

 最下位予想は広島。かつての迫力がない。先発陣は大瀬良大地、九里亜蓮、森下暢仁の三人が安定しているが、打線に目を向けると鈴木誠也の抜けた穴が大きすぎる。昨季リーグトップのチーム打率をマークしたが攻撃力の大幅低下は避けられない。やはり頼りは投手陣だ。昨季37セーブを挙げた抑えの栗林良吏も順調のようだ。

 若手の育成に重点を置くシーズンになるかもしれない。

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長を務める。

デイリー新潮編集部

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