【相棒】特命係から去る「冠城亘」は恋多き男…全138話を振り返る名場面集

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実家が登場した初の特命係

 初代相棒の亀山薫(寺脇康文)は根が真っすぐな熱血漢で、2代目の神戸尊(及川光博)はクールかつキザな自信家の秀才タイプだった。3代目の甲斐享(成宮寛貴)は、御曹司であるものの血の気の多い性格だった。この点、冠城は掴みどころがなくひょうひょうとしており、常におどけた仕草で軽口を叩く。時として頭脳明晰で理知的な一面を覗かせ、目的を達成するためには利用できるものはとことん利用することも(S14-2)。反面、奔放で大胆な行動を取りがちで、一歩間違えれば失敗しかねない手段にも平然と打って出る危ういところも多々ある。だが、これらの根底には“非道な犯罪に憤る気持ち”と“正義を貫く強さ”が流れている点は見逃せない。

 姉の由梨(飯島直子)からは「わーくん」と呼ばれ、恥ずかしがり屋な一面も(S20-11)。なお、このときは冠城の実家も登場した(文京区だが、住所は架空)。番組の長い歴史の中でも特命係の実家の部屋が出てきたのは初で、冠城の部屋にはエレキギターや野球ゲーム、バスケットボールなどが大事に残されていた。

 冠城が好む服装は2つボタンのスーツで、手触りの良いイタリア製(ボタンをすべて開けているのが特徴)。ワイシャツは無地で、ほぼノーネクタイで通している。愛車はスカイラインセダン。組対5課の角田六郎課長(山西惇)によると「小生意気にマイカー通勤」しているようだ(S15-最終話)。初代相棒・亀山薫同様にコーヒー党だが、コーヒーメーカーを使わずにコーヒーミルから豆を挽く本格志向で、デスクの下には様々な産地の豆が常備されている。

 また法務省の元キャリア官僚のため、腕っぷしは当初、疑問視されていた。とはいえ実際は、右京とともに大勢の暴力団関係者を制圧したこともあり、格闘能力はかなり高いことが証明されている。逆に心霊現象が大の苦手で、幽霊の話になると一目瞭然なほど動揺するのが特徴だった(S16-15など)。

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