星野仙一、原辰徳、ラミレス…奇策敗れたり!あまりに痛すぎる“大失敗采配”

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「見てのとおり、勝負にいった」

 一方、巨人・原辰徳監督も、代打起用した投手にバスターを決めさせたり、内野手をリリーフ登板させたり、奇策を好むが、「策士策に溺れる」のような最悪の結果を招いたのが、2014年7月11日の阪神戦だ。

 6回に2点を勝ち越され、なおも1死二、三塁のピンチに、原監督は次打者・今成亮太に対し、青木高広をワンポイント起用。そして、レフト・亀井善行をマウンドに呼び寄せた。

 亀井は原監督の指示で一、二塁間を守ろうとしたが、直後、今成の代打・西岡剛が告げられると、レフトの定位置に戻った。だが、西岡がカウント2-2になると、再び亀井が呼ばれ、今度は三遊間へ。

「見てのとおり、勝負にいった」(原監督)

 内野は5人。外野もセンター・松本哲也が左中間、ライト・長野久義が右中間を守るシフトについて、川相昌弘ヘッドコーチは「監督と以前から話していた。西岡は追い込まれてから打球を巻き込むイメージがあったし、データもあった」と説明した。

 この作戦がピタリとハマれば、西岡は亀井の前にレフトゴロを転がすはずだったのだが、そうは問屋が卸さなかった。5球目をファウルした西岡は、内角低めで引っかけさせようとした青木の6球目がやや甘く入ってきたところを見逃さず、打ちに行った。

「(シフトを)気にせず、外野手が3人いるつもりでバットを振った」という西岡の打球は、皮肉にも誰もいないセンターの定位置へ……。2者が生還し、この回4点を挙げた阪神は12対5と大勝した。

 同年、巨人は3年連続リーグVも、クライマックス・シリーズで阪神に敗れ、日本シリーズ進出を逃した。奇策失敗と結びつけるのは、牽強付会が過ぎるにしても、“象徴的な出来事”と捉えたファンもいたはずだ。

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