【カムカム】安子・るい・ひなたを結び付けた「カムカム英語」平川唯一さんの功績

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 NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」が終盤に入り、タイトルの意味とテーマが鮮明になってきた。上白石萌音(24)が演じる初代ヒロイン・安子、深津絵里(49)による2代目・るい、川栄李奈(27)による3代目・ひなたの3人を結び付けていたのは、やはりラジオの英語講座だった。

 先へ先へと進み続けてきた物語が、過去へ向かい始めた。すべての「なぜ?」が分かりつつある。

 るいは伯父・算太(濱田岳)との再会を果たした。1951年以来、実に42年ぶりだった。

 だが、算太は懺悔の言葉を遺して逝く。

「すまなんだなぁ。ワシが悪いんじゃ。全てワシが。安子はなーんも悪うねぇ」

 算太との再会が契機となって、るいは夫の大月錠一郞(オダギリジョー、46)やひなたたちと一緒に故郷・岡山へ帰り、叔父の勇(目黒祐樹)とその妻・雪衣(多岐川由美)がいる雉真家を訪れた。32年ぶりの里帰りだった。

 雪衣も罪の意識を告白する。

「私のせいなんじゃ・・・」

 算太が1951年に失跡したのは自分がその愛に応えなかったからだという。伏せられていたカードが相次いで捲れ上がった。だが、安子渡米の全容はいまだ分からない。

 18日放送の第97話ではこの作品のキーパーソンの1人が姿を現す。1946年2月から約5年間、NHKラジオが放送した「英語会話」(通称「カムカム英語」)の講師役だった故・平川唯一さん(さだまさし、69)である。これまでは声の登場だけだった。

 ひなたが、安子が使っていた「カムカム英語」のテキストを見つけた後、平川さんと出会う。これでヒロイン全員が「カムカム英語」と結びついた。タイトルと重なるこのラジオ英語講座はやはり大きな意味を持っていた。

 1925年生まれの安子は、「カムカム英語」を初回から聴く。最初は民家から漏れてきた音声を塀越しに耳にした。第22話だった。2歳児のるいを抱え、辛く苦しい日々を送っていた安子にとって、カムカム英語は希望の光となる。

 るいが初めて口にした言葉も平川さんが作詞した番組の主題歌だった。「カムカムエヴリバディ…」。安子の表情はパッと輝き、戦死した夫の稔(松村北斗、26)の遺影に報告する。第23話だった。

 そして、ひなたは平川さん自身と接する。これを機に英語講座を真剣に聴き始めるだろう――。

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