ロシアのマクドナルド、営業停止日以降も開いていた 店員は「いつまで営業できるか分からない」

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「ジタバタしてもしょうがない」という人生観

 材料の在庫がある間は営業する、という店舗が多いようなのだ。とはいえ通貨ルーブルは暴落し、ロシア市民も苦しんでいるのでは?

「たしかに物価は少しずつ上がっていますが、まだ市民生活に致命的な影響はありません。元来ロシア人は不条理に慣れているのか、“ジタバタしてもしょうがない”という人生観の人が多く、割と淡々としています」(同)

 ロシア市民は相当苦しんでいるはずだ、と自由な社会に暮らす我々はついついそう考えるが、実態はやや違うらしい。

 写真は、3月14日の営業停止前日のモスクワ、マロセイカ通りのマクドナルド。モスクワっ子たちは名残りを惜しむかのように行列を作っていたが、特に混乱などは見られない。どうせ「闇営業」するだろう、と見越した人もいたのだろうか。

 また、さすが寒さに強いというべきか、マクドナルドで買ったとおぼしきアイスを食べながら路上を歩く初老男性の姿も見られた。

 ちなみに、同じファストフードでも対応はさまざまで、ケンタッキーフライドチキンの場合、1100店舗のうち70店舗が営業を停止したという。

 戦時下の光景とは思えない日常が、戦争を仕掛けた側には残っている。経済制裁の効果が表れるのはもう少し後になるのだろう。翻って、侵攻を受けているウクライナの諸都市の現状は、目を背けたくなる悲惨さである。

週刊新潮 2022年3月24日号掲載

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