落合博満、野村克也、原辰徳 まさかの奇策も…名将たちは“初の開幕戦”でどんな采配を見せたのか

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「日々新なり」を体現した采配

 ところが、打球は藤本敦士が必死に伸ばしたグラブの先に当たると、後方にポトリと落ち、まさかの6-4-5併殺でゲームセット……。不運な黒星スタートに、原監督も「最後は紙一重だったな」と悔しがった。

 その後、巨人は2、3戦目も打線が振るわず、1980年以来22年ぶりの開幕3連敗を喫するが、原監督は「打線の不安?まったくないね」と選手を信じて我慢の采配を続ける。

 そして、4月3日の中日戦で延長10回に松井の決勝タイムリーが飛び出し、4戦目で監督初勝利。反対意見も多かった河原純一の抑え転向も成功し、座右の銘「日々新なり」を体現した采配で、2年ぶりの日本一を実現した。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」上・下巻(野球文明叢書)

デイリー新潮編集部

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