ドラマ「金魚妻」大ヒットの理由は? カジュアルに描かれるようになった女性の不倫

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 日活ロマンポルノ第1号として名高い「団地妻 昼下りの情事」は昭和の時代に、製作費が750万円のところ、興行収入が1億円を突破した大ヒット作である。翻ってタワーマンションが林立する令和の世でも、人妻たちの欲望をテーマにした作品が人々を引きつけているが、その客層はすっかり様変わりしていて……。

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 動画配信サービスのNetflix(ネットフリックス)で、2月14日から配信されているドラマ「金魚妻」。女優の篠原涼子を主演に迎え、長谷川京子らタワーマンションに暮らす6人の人妻が織り成す不貞愛を描いた官能シーンが話題となっている。配信直後から、日本のみならずアジア各国の配信ランキングでも、次々1位を獲得しているのだ。

 かつてのロマンポルノでは「団地妻」が不倫の代名詞となって、その背徳世界をのぞこうと多くの殿方が映画館に足を運んだ。片や「タワマン妻」を描いた今作は、男性よりもむしろ女性たちの支持を多く集めているらしい。

過激な描写のある女性向け作品がヒット

「地上波ドラマでは放送できない過激な濡れ場が、ネットフリックスなどの動画配信サービスでは見ることができる。それがヒットの要因だと思います」

 と話すのは、エンタメライターの立石梨恵氏だ。

「ここ最近、地上波でも『昼顔』や映画『娼年』など過激な描写のある女性向けの作品がヒットする傾向があり、今回の『金魚妻』もその系譜に位置付けられると思います。ドラマの構成も、篠原涼子と岩田剛典のカップルのみを1クール延々と描くのではなく、長谷川京子など他の夫婦との絡みが1、2話完結で描かれるなど飽きのこない作りが新鮮で、突然イケメンと出会って恋におちるというストーリーには現実味がなくても、夫のモラハラ的な態度など共感できるポイントを探す楽しみがあります」

 現実世界のタワマンでも、高層と低層階では階数による「ヒエラルキー」があるというが、その対立構造が作品では巧みに描かれているそうだ。

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