FA移籍も期待外れ、ドラ1は二人…巨人、今年活躍しないとクビになりそうな6投手の実名

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 開幕が待ち遠しい日本のプロ野球。注目ポイントの1つは“球界の盟主”読売ジャイアンツのセ・リーグV奪回なるか、だろう。昨シーズンのV逸の最大の原因は “投手難”に尽きる。そこで昨年のドラフトでは、大卒ドラ1右腕の翁田大勢(登録名・大勢)や社会人ドラ2左腕の山田龍聖を含む6人の投手を支配下で指名。育成でも6人を指名するなど、投手補強に重点を置いた。さらに新外国人選手として、マット・アンドリースとマット・シューメーカーの両右腕を獲得、投手陣に厚みが増すこととなった。

 ただ、これだけ新戦力が加入すると今シーズンの成績次第ではオフに立場が危うくなる選手も出てくる。今年シーズンに活躍しないと出処進退が問われる投手たちとは?

 まず1人目は、20年のオフに横浜DeNAベイスターズからFA移籍してきた井納翔一(35)だ。昨シーズンは開幕ローテーション入りを果たしたものの、移籍後初先発した開幕5戦目の中日ドラゴンズ戦で立ち上がりから不安定な投球を露呈。初回に3点を先制してもらいながらプロ最短となる1回0/3で被安打5、4失点を喫し、わずか31球で降板してしまう。試合後には即2軍落ちが決定。再登録後はリリーフ陣に配置転換されたが、そこでも精彩を欠き、敗戦処理に近い起用が多かった。しかも東京オリンピック期間中にペナントレースが1カ月休止に入って以降は出番なくシーズンを終えている。

 結局昨年はたった5試合の登板に留まり、0勝1敗、防御率14.40という散々な成績に終わってしまった。さらに井納は今年36歳とチームの投手陣の中で最年長のベテランである。チーム的には菅野智之(32)、戸郷翔征(21)に次ぐ右投手が少し手薄なので、今シーズンは再起のチャンスだが、昨年のような低空飛行に終わるようなら、引退もしくは戦力外通告を告げられる可能性大だろう。

 ドラ1投手の中にも厳しい立場に立たされている選手がいる。その1人目が15年の大卒ドラ1右腕・桜井俊貴(28)だ。大学時代はリーグ戦通算56試合に登板し、28勝8敗、防御率1.10、306奪三振をマークした右の快腕だった。だがプロ入り後は昨季までの6年間で11勝12敗10ホールド、防御率4.87と結果を残せていない。特に一昨年は開幕ローテーションの一角に食い込み、6先発で2勝2敗という数字を残したが、2敗目を喫した直後に登録を抹消されてしまう。そこから再昇格を果たすも中継ぎに配置転換され、約1カ月後にまたも登録抹消。3度目の再登録後は2試合に先発するも2連敗と、結果を残せず再び中継ぎとしてシーズンを終えている。この年の通算成績は24試合に登板して2勝4敗4ホールド、防御率4.95だった。

 昨年はリリーフとして29試合に登板し、1勝0敗6ホールドを挙げるも防御率は5.40と低迷し、成長した姿をみせることができなかった。今季は制球力に磨きをかけ、年間を通して安定した投球でチームに貢献することがサバイバルを生き残るための必須条件となる。

 ピンチを迎える同じドラ1投手は鍬原拓也(25)だ。大学時代は最速152キロを誇ったスリークォーター右腕は、17年のドラ1位指名。シンカーが武器の即戦力と期待が寄せられていた。だが、昨年までのプロ4年間で1軍登板はわずか26試合。通算2勝3敗、防御率6.04と苦しんでいる。プロ3年目には右ヒジの肘頭を骨折したことでオフには育成選手契約に。プロ4年目となる昨シーズンは2軍戦でのアピールに成功し、8月末に支配下登録復帰を果たしたものの、それ以降は目立った結果を残せず、1軍に1度も昇格することなくシーズンが終了。オフに再び育成選手契約となってしまう。

 さらにこの間、フォームをスリークォーターからサイドスローに変えたり、スリークォーターとサイドスローの中間に位置する高さから腕を振るオリジナルの投球フォームにモデルチェンジしてみたりと投球フォームで迷走している。プロ5年目を迎える今季は実戦で存在をアピールし、3度目の支配下登録を勝ち取ることがまず求められる。このまま育成で終えるようなら、今オフはいくらドラ1入団でもさすがに厳しい状況が待ち受けていよう。

ケガに泣いた

 4人目は19年のドラ2位右腕の太田龍(23)だ。高卒~社会人を経ての入団で、即戦力というよりは将来性を買われての指名だった。最速153キロの速球を活かしてまずは中継ぎからはじまり、ゆくゆくは先発ローテーションの柱として期待されていた。見込み通り、プロ1年目はイースタン・リーグで主に先発として17試合に登板。5勝6敗、防御率4.08の成績を残し、イースタン最多勝利に輝く。9月には1軍昇格も果たしたが、登板機会なく登録抹消となり、1軍デビューを逃してしまった。

 これが不運の始まりで、翌21年は2軍春季キャンプ中に右太もも裏の張りにより離脱。さらに右ヒジ関節手術を受けるハメになってしまう。退院後はリハビリに励み、8月中旬の3軍戦で実戦復帰登板を果たした。9月以降には2軍では4試合にリリーフ登板し、計7イニングを投げるも1軍昇格はなくシーズンを終えることに。いくら素質があるとはいえ、2年連続1軍登板なしというのは期待はずれ以外の何ものでもない。今季は厳しい生存競争を勝ち抜き、最低でも1軍デビューを果たすことが求められる。

 5人目は左の中継ぎ投手から高木京介(32)の名を挙げたい。19年のシーズンでは自己最多の55試合に登板し、3勝1敗10ホールド、防御率3.83という成績でブルペンを支えたものの、翌20年は夏場に股関節痛のため登録を抹消。チームから離脱後はリハビリ調整を続けたものの、シーズン中の1軍復帰は果たせず。17試合の登板で0勝1敗1セーブ4ホールド、防御率3.65という成績に終わっている。故障の影響により、オフには育成選手契約となってしまったが、春季キャンプでアピールして支配下登録へ復帰した。だが、4月末にコンディション不良で離脱してしまい、1軍での登板は前年よりも少ない15試合に留まった。1勝0敗1ホールド、防御率4.42という微妙な数字が残っている。

 現状、チーム内の中継ぎの左投手は大江竜聖(23)が成長し、ほかにも高梨雄平(29)、中川皓太(28)らが控えている。チームの傾向としては左は充実しつつあるワケだ。2年連続シーズン途中で離脱した代償は大きく、こうなると必然的に居場所がなくなる。巻き返しを狙いたいところだろう。

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