佐渡島が世界遺産候補も「佐渡汽船」が上場廃止 再建はどうなる?

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補助金も焼け石に水

 佐渡汽船は優待銘柄として知られ、株主に乗船券が配布されることから“佐渡好き”の投資家も多かった。しかし、ここ10年ほどは赤字と黒字を行ったり来たり。公共交通機関ということもあって、大株主の新潟県(32%)と佐渡市(10.52%)などが補助金を出してきたが、それも焼け石に水だった。

 新潟県の担当者によると、

「今回の上場廃止は、みちのりホールディングスさんらと話し合って決めました。佐渡汽船は島民生活に欠かせない会社なので、就航率が高くなくてはいけない。しかし、その一方で乗船率は5割前後。2015年には60億円かけて建造した高速カーフェリー『あかね』(直江津―小木)が就航しましたが、乗船率1割という惨状で、結局船を売却せざるを得なかった。そこにコロナが襲ったわけです」

 代わって再生を担うことになった「みちのりホールディングス」は、産業再生機構の元専務・冨山和彦氏が率いる「経営共創基盤」のグループ会社。過疎地のバス会社などの経営を引き受けてきたが、船会社は初めてだ。とまれ「世界遺産」登録の成否が再建のカギになりそうである。

週刊新潮 2022年3月3日号掲載

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