「近くで爆発音」キエフに残る日本人に聞いた恐怖体験 一方で「人々の絆は強まっている」

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気さくでホスピタリティー溢れる人柄

 それでも周囲のウクライナ人たちは、

「プーチンの思惑に反してパニックには陥っていません。30代以上の人はソ連崩壊の混乱も知っており、蕎麦の実など食料を備蓄するカルチャーがある。買い占めも起きず、水や食料で困っている人は見当たりません。不満を口にすることなく、人々の絆が強まっているのを感じます。ゼレンスキー大統領が、米国の避難支援を断ってキエフに残っている姿も国民を力づけています」

 ウクライナ事情に詳しい神戸学院大学の岡部芳彦教授が言う。

「ゼレンスキーは元々、数百人の社員を束ねる芸能プロダクションの社長で、政治風刺を主とする劇団のメインアクター兼座長、脚本家。政権の大統領補佐官や長官も芸能プロの社員が務めており、本人は一緒にセルフィーを撮ってくれるなど気さくで、ホスピタリティー溢れる人柄です。軍隊経験もないのに、今回はよく対応していると思いますが、ウクライナ兵に扮したロシア特殊部隊が暗殺のためキエフに潜っているとの情報もあり、心配しています」

週刊新潮 2022年3月10日号掲載

特集「『プーチン』の狂気 7つの謎」より

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