「ウクライナ侵攻」拡散されたTwitter動画から見える若いロシア兵の“士気の低さ”と“迷い”

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ニュースではどう伝えている?

 捕虜の尋問以外でも、緊張感に欠けたロシア兵の様子を収めた動画があった。一般市民らしき撮影者が、停車しているロシア軍の戦車部隊を通り過ぎさまに、ロシア兵に声をかけている。

ウクライナ男性:ようガキ、故障したのか?
ロシア兵:燃料が切れた
ウ:ロシアまで牽引してやろうか?
ロ:はっはっは
ウ:どこに行くか知ってるのか? キエフか?
ロ:いや……ニュースはどう伝えている?
ウ:ウクライナ側が優勢だ。ロシア兵はたくさん投降している。当然だ。おまえもどこに行くか知らないからだ。おまえの前に戦車の奴にも聞いたが、そいつらもどこに行くか知らなかったよ。

 もちろん、ウクライナ側が情報戦の一環として、こうした動画を拡散している可能性もある。2月28日に開かれた国連の緊急特別会合で、ウクライナのキスリツァ国連大使は、死亡したロシア兵の携帯電話に残されていたとされる、母親とのメッセージのやり取りを読み上げた。兵士は訓練中と聞かされままウクライナに進攻させられ、「母さん、僕はウクライナにいるんだ。本当の戦争が始まっているんだ。怖いよ。一般市民もターゲットにして攻撃している」などと怯えたメッセージを送ったあと、死亡したという。ロシア大使は「でっち上げだ」と強く非難した。

同じ民族同士

 だが、ロシア事情に詳しいジャーナリストは「一般市民が撮影してそのまま拡散された動画も多く、ロシア兵の実態を表していると言えるだろう」と指摘する。

「ロシア人とウクライナ人は非常に近い関係なんです。そもそも1991年のソ連崩壊までは同じ国家だった。同じ民族で言葉も通じるし、双方に親戚だっている。ロシア兵からすれば、なぜ同胞を殺しに行かなければいけないんだ、という気持ちなんでしょう。NATO当局者もロシア軍が士気に問題を抱えていると分析しています」

 モスクワ在住の日本人も、ロシア人の本音は「戦争反対だ」とはっきり断言する。

「誰がどう見ても侵略戦争ですから。言論統制が敷かれていて大きな声で言えない状況ですが、『こんなことやって恥ずかしい、ウクライナ人に対して申し訳ない』と本音を漏らすロシア人は少なくありません。SWIFT(国際銀行間通信協会)の動きもありましたし、自分たちの今後の暮らしについての不安もあります。ルーブルも株価も史上最安値を更新中ですから」

 大義なき戦争に駆り出される若き兵士たちも、犠牲者なのかもしれない。

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