綾野剛 7月期「日曜劇場」の主演に内定 関係者は「これまでにない斬新なドラマになる」

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実は変化に富んでいた過去の放送作

 放送記者クラブに所属する記者の一部では、「日曜劇場」は「もう1つの大河ドラマ」「現代版大河」とも呼ばれ始めた。どちらも日曜夜の放送で、家族そろって観られることが多く、ともに高い視聴率を得るからだ。話題になりやすく、批判も浴びがちで、制作者にプレッシャーがかかるのも同じである。

 実のところ「日曜劇場」は「マンネリ」どころか、変化を繰り返してきた。山田太一氏(87)が脚本を書いた1993年4月期の連ドラ第1作「丘の上の向日葵」は不倫など家庭内のシリアスな問題をテーマにした作品だった。

 故・萩原健一さんが主演した第2作「課長サンの厄年」からはコミカルなホームドラマが続いた。軽いタッチの企業モノも多かった。

「けれど1990年代後半になると、この路線が当たらなくなった」(TBSドラマ制作部関係者)

 世帯視聴率がやっと10%に届く作品が目立つようになる。そんな中で迎えた2000年1月期に放送されたのが、木村拓哉(49)と常盤貴子(49)が主演したラブストーリー「ビューティフルライフ」。全話の平均世帯視聴率が32.3%にも達した。

 以降、妻夫木聡と柴咲コウ(40)が主演した2004年4月期の「オレンジデイズ」などラブストーリーが目立つようになる。最近の「日曜劇場」とは路線が相当異なる。

 現在の方向性の大枠を決めたのは大沢たかお(53)が主演した2009年10月期と2011年4月期に放送された「JIN-仁-」だろう。

 全話平均の世帯視聴率が19.0%、21.3%に達した上、幅広い世代に共感された。記憶にも残った。なにより、感動をもたらした。まさに横綱相撲だった。

 感動がポイントになった「日曜劇場」。池井戸氏が原作を書いた2015年10月期と2018年10月期の「下町ロケット」や2017年10月期の「陸王」も感動をもたらすタイプの作品だった。感動ストーリーの多い池井戸氏の小説が、「日曜劇場」で多くドラマ化されるのは不思議なことではない。

 綾野の主演作も感動を与えてくれるに違いない。連ドラの主演作は過去に9本あるが、TBSで2015年10月期と2017年10月期に放送された「コウノドリ」の第1シリーズ、第2シリーズも感動的だった。心優しい産婦人科医に扮した。

 また星野源(41)とダブル主演した一昨年7月期の「MIU404」も感動作だった。社会派刑事ドラマで、2人で悪に向かって無鉄砲に突っ込んだ。

 昨年10月期にはフジ系「アバランチ」で政府高官の陰謀を食い止めようとする主人公・羽生誠一に扮し好評を博した。最終回が終わると、SNS上には羽生のカムバックを望む声が並んだ。

 満を持しての初登板となる。

山本継男/ライター

デイリー新潮編集部

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