「人類救済に対して、私は活動を取っている……」機内でマスク拒否の呉市議が4年前に提出した“ヤバい研修報告書”

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Qアノンよりも古い

 呉市の公式サイトでは、市議会の「閉会中の活動状況」のページで、視察や各種研修などに参加した市議の報告書を、2015年まで遡って閲覧することができる。

 谷本市議の報告書も一風変わっている。2018年6月に提出された「研修報告書」は、広島で開催された講演会に参加したというもの。そこに記された「研修内容」が興味深い。

《先ず本題に入る前に、携帯電話が普及しているのは、全人類を監視するのが真の目的という衝撃的な話からスタート。CIAからロシアに亡命したスノーデン筋らしいです。ということで、聴講者全員の携帯電話を銀紙で包装するところからの異例の出だしです。それ以上のことは、ここでは触れる訳にはいきません》

――ゾクゾクっとしている人もいるかもしれない。もっとも、これが市議会に提出する報告書でよいものなのか……。

《地上デジタル放送は、その電波が人体に悪影響を及ぼし、東京タワー周辺住民には鬱病や心筋梗塞になる確率が高いといいます》

「いわゆる電波系と呼ばれるタイプなのでしょうか。いずれにせよ、2018年の報告書ですから、Qアノンよりも古いことになります。ただQアノンなどは、こういう類いの人に火を付けるのが上手いんです」(藤倉氏)

 もちろんこの報告書には、彼の信念が書かれている訳ではない。あくまで、議員活動としての報告書である。とはいえ、昨年4月3日には「ワクチンは殺人兵器」とう講演会にも参加し、その直後に発行された、谷本市議の機関誌「誠心ファミリー」(21年4月10日発行)には「新型コロナワクチンは遺伝子組み換え!」といった記事が並んでいる。

「1人でワクチンやマスクに反対するのは構いませんし、マスク着用について議論するのもいいと思います。政倫審にはちゃんとマスクをして出席しているので、そうした場では従うことができるのでしょう。ならばなぜ、飛行機内で一般市民に迷惑をかけるのはマズいと考えられなかったのでしょうか」(藤倉氏)

 2月14日現在、呉市には約1550件の苦情が寄せられ、そのうちの4割以上が議員辞職やリコールを求めている。

デイリー新潮編集部

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