辻元清美は“敵前逃亡”、蓮舫は社長業に? 八方ふさがりの立憲民主党はどこに向かうのか

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 昨年の衆院選で事実上敗北し、新たに泉健太代表(47)を戴いて早3カ月――。党をとりまく状況は好転するどころか、悪化の一途だ。支援組織や共闘相手との板挟みに遭い「選挙の顔」となる女性議員は“私利私欲”で……。これを八方ふさがりと言わずしてなんと言うのか。

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 野党をまとめるべき立場の「第1党」はいまや“敵だらけ”である。

 立憲民主党の泉健太代表が今夏の参院選で共産党との共闘を「白紙」としたことで、当の共産党の志位和夫委員長は「白紙にするという議論は成り立たない」と不満をあらわにした。

 一方で、立憲を支援するはずの連合の芳野友子会長は大の「アンチ共産党」で知られ、先の泉氏の発言にも、「白紙の意味を明確にすべきだ」と噛みついた。

 昨年12月に船出した「泉体制」の羅針盤はどっちつかずの方角を指すばかりで、孤立を深めているのだ。

「今の執行部はいわば素人集団です。幹事長も選対委員長も選挙の陣頭指揮をとったことがないし、国会でも劣勢を強いられています」

 とは野党担当記者。

「通常国会で与野党が闘うのはまず予算です。野党国対は衆議院の審議でいかに3月まで持ち込ませるかが勝負です。しかし、いまの国対は自民党にいいようにやられていて、予算案は2月20日過ぎにも衆院を通過してしまいそう。与野党バトルをまったく演出できていないのです」

敵前逃亡

 その苦境の泉氏が満面の笑みで歓迎したのは、辻元清美前衆院議員の参院での出馬だった。

 昨年の衆院選で大阪10区から立候補し、日本維新の会の候補者に敗れた辻元氏は今夏の参院選で比例区から出馬すると、先月31日に正式に表明したのだ。

「辻元さんは昨年末から比例に転出するかどうか、“悩んでるねん”と周囲に話してきました。還暦を迎えている辻元さんは、政治家人生を考えれば次の衆院選まで待つのは得策ではありません。さらに、次期選挙も維新を相手に勝てる見込みがあるかもわからない。ならば、参院から出ようというわけ。泉さんにとっても選挙の顔が増えたことで渡りに舟でしょう」

 敵前逃亡、私利私欲による出馬ともいえようが、その辻元氏を参院選で支援すると見られるのは、大手私鉄などの労働組合が加盟する私鉄総連である。

 立憲所属の議員が言う。

「辻元さんは民主党政権時代に国交副大臣を務めており、その縁で私鉄総連とは深い関係を築き上げてきました。自治労や日教組ほどの集票力はありませんが、辻元さんの知名度と合わされば当選は間違いないでしょう。しかし、前回参院選で立憲は比例で8人しか通っておらず、辻元さんの参戦で一つの枠が埋まり誰かが落選することになる。参院候補の間では執行部への不満の声が渦巻いています」

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