猫のコロナ大流行 乱立する「高額治療費クラファン」に杉本彩さんが感じる“懸念”

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 猫の間でも「猫のコロナ」と呼ばれる猫伝染性病腹膜炎(FIP=Feline Infectious Peritonitis)が流行し、愛猫家を悩ませている。FIPの治療は100万円近くかかる高額医療となるため、クラウドファンディングも増加。この現象を見て、動物愛護活動家で知られる「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」代表の杉本彩さんは「違和感」を覚えるという。

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パクリ製品

 なぜFIPの治療は高額なのか。現在入手可能な治療薬が中国製の「ムティアン」しか存在せず、しかも法外な値段で流通しているからだ。実はムティアンは、新型コロナ治療薬レムデシビルの製造元でもある米国ギリアド社の「GS-441524」の“パクリ商品”。ギリアド社が「GS」の特許を持ちつつも製品化していないのをいいことに、無許可で非正規品を商品化しているのである。

 ムティアンの投与期間は84日間。薬代以外にも、検査費用、点滴代など諸々含めると100万円近い出費となる。FIPは子猫に発症するケースが多く、致死率はほぼ100パーセント。高額だとわかっていても、どうしても愛猫を救いたいと考える飼い主はムティアンに頼らざるを得ないのだ。

 そのため、経済力がない飼い主たちが治療費の捻出に困り、クラウドファンディングを募るケースが続出しているのである。大手クラファンのホームページを見ると、子猫の写真とともに「この子の命を助けてください」と呼びかける募集が数え切れないほど掲載されている。個人だけではなく、猫カフェや愛護団体がFIP治療費を募っているケースも多い。

「実は私も、FIPに効果的な薬にお金がかかって、飼い主さんたちが困惑しているという話を、最近テレビで知ったばかりでした。そして、こんなにも多くのクラファンが立ち上がっているのを見て驚きました」(杉本さん。以下同)

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