悠仁さまが合格された「筑波大学附属高」の実相 減った東大合格者数と負のスパイラル

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小・中・高の入試

 東京帝大の法学部長や最高裁判事を歴任し「日本家族法の父」と呼ばれた穂積重遠(1883~1951)。

『「いき」の構造』(講談社学術文庫など)で知られる哲学者で京都帝大教授の九鬼周造(1888~1941)。

『ブッダの生涯』(岩波現代文庫)の著者で、インド哲学者、仏教学者、比較思想学者、東大名誉教授の中村元(1912〜1999)。

 政界や官界と同じく、学界もきりがない。担当記者が言う。

「現代に目を転じてみると、筑附から東大に進んだ女性が芸能界でコメンテーターとして活躍しているのが目立ちます。元財務官僚で弁護士の山口真由さん(38)、タレントの八田亜矢子さん(37)。TBSの『東大王』で注目を集めた鈴木光さん(23)は、昨年3月に芸能界からの引退を表明されましたが、いまだに多くのファンがいます」

 筑附高の生徒になるためには、3回のチャンスがある。小学校、中学校、そして高校で行われる入試だ。

「まず附属小が128人の募集を行います。小学校受験では国内最多の志願者が集まり、入試倍率は30倍とも言われます。付属中へは上位8割程度が内部進学できるようです。中学入試の場合、2022年度は450人が受験し、104人が合格しました。付属高への内部進学も上位8割程度と言われています。高校入試は21年度の場合、495人が受験し、155人が合格しました」(同・記者)

高くない東大合格率

 筑附高は各学年とも1クラス約40人の6クラス編成だという。公式サイトに掲載されている全校生徒数は2012年4月現在と古いが、729人と記載されている。

 このうちの何人が東大に進むのか。100人か、200人かと調べてみると、意外な結果が待っていた。

 受験・教育情報サイト「インターエデュ」がまとめた「速報!2021年 東大・京大・難関大学合格者ランキング」によると、東大合格者ランキングで筑附は上位に位置していないのだ。

 ベスト5は、【1】開成(144人)、【2】灘(97人)、【3】筑波大附属駒場(89人)、【4】麻布(86人)、【5】聖光学院(79人)となっている。

 女子校のトップは桜蔭の71人で、総合7位。都立高のトップは日比谷の63人で、総合9位だった。

 一方、筑附はベスト20にも入っていなかった。合格者29人で総合23位だ。

 トップの開成高校は1学年が約400人。インターエデュは「現役東大合格率」も計算しており、開成は27・18%に達するという。

 2位の灘は34・72%、3位の筑駒は43・48%と、更に現役合格率が高い。ところが、筑附の場合は9・57%と、上位校に比べ見劣りするのは事実だ。

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