「すき家」「はま寿司」のゼンショーが始めた新コンビニ 「さくらみくら便利店」のナゾに迫る

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“同質疲れ”の需要?

 実は「さくらみくら便利店 館林瀬戸谷店」のすぐ隣には「ローソン舘林朝日町店」がある。ほかの店舗にしても、ほぼ隣に別のコンビニチェーン、あるいは弁当チェーンがあるという立地なのだ。渡辺氏は、ここに「“同質疲れ”を突いた差別化」の狙いを見て取る。

「日本全国のコンビニは、どこへいってもほとんど同じカテゴリーの商品が陳列されています。特に各社がプライベートブランドを充実させるようになってからは、シンプルなデザインのパッケージで製造工場も同じと、ますますその傾向が強くなりました。また『さくらみくら便利店』があるような“大都市ではないけれど田舎でもない”地方であれば、どこも『ユニクロ』や『吉野家』といったチェーンが並び、やはり似た風景です。『さくらみくら便利店』の取り組みからは、そうした地域の人々にある“異質を求める需要”に答える意思を感じますね」

 大手が周囲にある前提での出店、というわけである。先述したできたて店内調理も差別化の鍵だが、そのほかにも、

「店内にはATMやコピー機など最低限のサービスがあるだけで、メルカリ発送やチケットの販売なども行っていません。そういったことは大手に任せるという明確な意図を感じます。また“あえて”なのかは分かりませんが、プライベートブランドが売り場にまったくないというのも、30年前のコンビニを髣髴とさせて新鮮でした」

 3月中旬には新たに「みどり大間々町4丁目店」がオープンするという情報もある。今後の動向に注目したい。

デイリー新潮編集部

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