センバツ“異例の逆転落選”に垣間見えたオトナの事情 不可解な決定の背景は?

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 センバツの当落が物議を醸している。

 秋季東海地区大会準優勝の聖隷クリストファー(静岡)が落選し、ベスト4止まりの大垣日大(岐阜)が選ばれたのだ。2枠のうちのもう一校は優勝した日大三島(静岡)が選ばれている。

 スポーツ紙記者が語る。

「準V校が決勝戦で大敗した場合などに、準V校でなく、優勝校に準決勝で惜敗した4強止まりの学校が選ばれることはあります。でも、聖隷の決勝戦は3-6ですから大敗とまではいえません」

 異例の逆転落選である。静岡県の2枠独占を嫌ったのだろうか。しかし、

「選考委員長はそれを否定。仮にそうであっても、同じ県から複数校が出場できるのはセンバツの特長の一つですから、表立って口にしづらい。そもそも“21世紀枠”が始まった2001年以降、無理やりな選出は減ったのですが……」(同)

 ではなぜ? 委員長の口から出たのはこんな理由だ。

〈個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーか(略)どちらが甲子園で勝つ可能性が高いかを基準に判断した〉

勝利至上主義への疑問

 野球は団体競技なのに、チーム力を否定するかのような発言。試合をやる前から勝てるかをうんぬんするのもおかしい。だいたい教育の場である高校野球において公然と勝利至上主義を掲げるのはいかがなものか。ツッコミどころ満載の言い訳は、ダルビッシュ有や上原浩治氏をはじめ多くの高校野球ファンの顰蹙を買った。

「この選出結果を知った時、聖隷が何かしでかしたのではないかと思いましたよ」

 とさるスポーツライターが苦笑する。なんでも、毎日新聞の取材網に引っかかった不祥事は選考会にも上程されるという。調べると2019年、聖隷学園の中学教師が猥褻罪で、高校教師が傷害罪で立て続けに逮捕されている(一部不起訴)。これが理由ならたしかに口に出すのも憚られるが……。いずれにせよ聖隷の部員には悔しい結果となった。

 選ばれた大垣日大も可哀そうだ。ネット上では“出場辞退しろ”などと心無い罵声が浴びせられている。

 そんな球児たちを尻目に、

「毎日新聞にとってセンバツは重要な販売ツール。なるべく多くの県から出場校が出てほしいはず」(同)

週刊新潮 2022年2月10日号掲載

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