SNSで「芸能人のコロナ感染報道にはうんざり」の声 所属事務所とテレビ局の考えは?

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お笑い芸人が最多

 恐らく、通信社が記事を配信したのだろう。他にも地方紙では、岡山県の山陽新聞や宮崎県の宮崎日日新聞などが、上地の出演見合わせを伝えている。

 週明けの24日月曜日は何と24人の感染が、それぞれの所属事務所から発表された。

「ネット上ではひとりひとりについての記事が、それも複数の会社から配信されます。その後に『芸能界での感染拡大が止まらない』というまとめ記事を、多くのネットメディアが伝えています。記事数はすぐに、感染者の何倍にも膨れ上がりました。あまりに夥しい報道に、辟易した人もいるでしょう」(同・記者)

 ここで110人の芸能人について内訳を見ておこう。まず性別は、男性が79人だったのに対し、女性は36人にとどまった。

 平均年齢は34・8歳(年齢非公表の1人は除外)。

 世代ごとの人数は、10代が2人(1・8%)、20代が最多で40人(36・7%)、30代が34人(31・2%)だった。

 そして、40代が23人(21・1%)、50代が6人(5・5%)、60代が4人(3・7%)と、年齢が高くなると感染者が減少する傾向が認められた。

 110人の中には一般的には知名度がそれほど高くない芸能人も散見されたが、それぞれの“専門”を調べ、芸人、役者、歌手などに分類した。

 その結果、最多は芸人で41人(37・3%)、2位が歌手・アイドルで24人(21・8%)、3位が俳優・声優で23人(20・9%)、4位がタレントで12人(10・9%)、5位が局アナで5人(4・5%)、ドラマーといったミュージシャンなど、その他が5人(4・5%)だった。

デルタとオミクロンの違い

 こうしてデータを見てみると、芸能事務所が細かくコロナ罹患を広報し、ネットメディアやテレビ局が細大漏らさず報じてきたことが浮かび上がる。

「前代未聞の事態であることは間違いありません。有名芸能人が過労で倒れたら、今も昔も大きく報道されるでしょう。しかし普通は、どんな人気者でもインフルエンザになったことまではニュースとして報じられないはずです」(同・記者)

 なぜこんな現象が続いているのか、芸能リポーターの川内天子さんに取材を依頼した。まずは芸能事務所の考えについて訊いた。

「やはりデルタ株とオミクロン株の違いが大きいと思います。志村けんさんが亡くなられたのは2020年3月でしたが、あの頃、世論はコロナを“未知の病”と恐れていました。4月にはコロナに罹患した芸能人がバッシングされたこともありました。ところが、オミクロン株の場合は、市中感染が普通に起きています。芸能人が感染しても“落ち度”や“不注意”と受け止められる可能性はほとんどありません。そのため芸能事務所は、包み隠さず事実を広報しようと考えているのではないでしょうか」

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