松たか子、父親・松本白鸚の偉業達成に「尊敬しかない」 「ラ・マンチャの男」で10年ぶりに共演

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 昭和44年4月の初演以来、歌舞伎俳優の松本白鸚(79)が主演を務めてきたミュージカル「ラ・マンチャの男」が、この2月に東京・日比谷の日生劇場で千秋楽を迎える。

 ベテラン演劇記者が言う。

「当時の名跡は六代目市川染五郎。その後、昭和56年に九代目松本幸四郎を襲名し、平成28年からは二代目白鸚として歌舞伎界をリードしてきました。その間も、本作の公演は休まず続いてきたのです」

 梨園を代表する大看板も、ミュージカル俳優としての道のりは平坦ではなかった。当初は観客の入りが振るわず、自身も1回での公演打ち切りを覚悟したという。

「ところが、意外な転機に救われました。翌昭和45年にブロードウェーが各国で『ラ・マンチャの男』を演じる主演俳優を集めたフェスティバルを開催し、招待されたんです。全編英語、10週間で60ステージというハードな日程でしたが、27歳の白鸚はこれを完璧に演じ切った。ニューヨークで喝采を浴びたニュースはすぐに日本に伝わり、同年6月の凱旋公演から一転して大成功を収めたのです」

 本作はスペインの作家・セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」が原作だ。舞台は中世で、ある日、劇作家のセルバンテスは教会を侮辱した罪で逮捕、投獄される。盗賊や殺人犯などに囲まれて身の危険を感じた彼は、所持品の脚本を守るために即興劇「ドン・キホーテ」を演じ始め、囚人たちを巻き込んでいく……。

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