「無断帰国」に「通訳を窒息寸前」 ひどすぎる!プロ野球”最悪助っ人”が起こした問題行動

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語り継がれる“史上最悪の外国人”

 日本のプロ野球界には、これまで数多くの助っ人が来日しているが、成績の良し悪しにかかわらず、“問題児”のレッテルを貼られた者も少なくない。“史上最悪の外国人”と語り継がれているのが、1973年シーズン途中にヤクルト入りしたジョー・ペピトーンである。【久保田龍雄/ライター】

 通算219本塁打の現役メジャーリーガーは、6月23日の巨人戦、4番ファーストでデビューすると、3打席目に鮮やかな右前決勝タイムリーを放ち、三原脩監督を「さすがですよ。そのうち、とてつもないホームランを打ちますよ」と喜ばせた。

 ところが、球団が“ペピトーン・デー”と銘打ち、婦人と子供に内野席を無料開放した同30日の中日戦ダブルヘッダーで、呆れた事件が起きる。1試合目、4タコに終わったこの日の“主役”は、頭痛を理由に第2試合をすっぽかしたばかりでなく、前夫人との離婚調停を口実に突然帰国してしまう。

「2週間で帰ってくる」と言いながら、戻って来たのは1ヵ月後。さらに8月19日の阪神戦の翌日、アキレス腱の痛みを訴え、「昨日外野を守らされたときに痛めた」と説明する舌の根も乾かないうちに「実は、試合前のランニング中、グラウンドの窪みに足を取られた」と証言を翻した。だが、ランニングコーチが「そんなはずはありません。私の目の前では1歩も走らなかったのだから」と反論し、嘘がばれてしまう。

「治療するたび悪化」と不可解な報告

 その後もアキレス腱は「治療するたびに悪化していく」という不可解な報告がなされ、仮病説も囁かれるなか、ペピトーンは9月12日に本国での治療を希望して無断帰国。そのまま戻って来なかったため、解雇が決定的になった。

 だが、翌74年、新外国人の獲得が難航する球団は「真面目にやりさえすれば十分使える」とペピトーンに再びチャンスを与えようとした。「いろいろ迷惑をかけたけど、今年は初心に帰ってやり直す」と誓ったペピトーンだったが、最終期限の3月19日までに来日しなかったため、契約解除となった。

 出場14試合で打率.163、1本塁打。95年にダイエー入りしたケビン・ミッチェルもかなりの問題児だったが、それでも出場37試合で打率3割、8本塁打を記録したので、ペピトーンよりはましと言うべきか。

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