“育成契約”から這い上がれ! 今年期待される育成選手の実名【パ・リーグ編】

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トライアウトで最速149キロ

 日本ハムで筆頭候補となりそうなのも今年新加入した古川侑利だ。楽天時代の18年には先発で4勝をマーク。19年シーズン途中にトレードで巨人に移籍後は結果を残すことができずに、昨シーズン限りで自由契約となった。だが、12球団合同トライアウトでは最速149キロをマークするなど好投し、育成契約で日本ハム入りを勝ち取った。

 一軍で苦しんでいることは確かだが、二軍では2年続けて30試合以上に登板して防御率2点台をマークし、イニング数を上回る奪三振を記録している。スピードの割に被打率が高いのは気になる一方で、150キロ前後のスピードは大きな魅力だ。チームにはストレートで押すタイプのパワーピッチャーが多くないだけに、キャンプから持ち味のスピードをアピールしたい。

 昨年は、冒頭でも取り上げた水上が大きな戦力となった西武。今年もルーキーながら楽しみな存在になりそうな選手が育成4位の川村啓真だ。日本文理時代には3年夏に出場した甲子園でホームランを放ち、国学院大でも4年春に首位打者とベストナインに輝くなど活躍した。

 4年秋は不振だったこともあって、指名順位は低くなったとはいえ、選球眼の良さと広角に長打を放つパンチ力は大きな魅力。これに加えて、最終学年では2番を任され、状況に応じたチームバッティングができるのも持ち味である。この順位で指名されたのが不思議なレベルの選手であり、キャンプ、オープン戦から結果を残して、早期の支配下登録、一軍昇格を目指したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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