茨城・介護施設の女性看護師「赤間恵美容疑者」 殺人容疑で逮捕直前に犯していた「5000円の牛肉万引き事件」

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明るくて、いつもニコニコ笑っている子

 茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎」で、入所中の高齢男性2人が相次いで殺害された事件について、水戸地検は1月12日、殺人容疑で逮捕された施設の元介護職員・赤間恵美容疑者(36)の鑑定留置を開始した。今後、4月下旬までの3カ月余りで、精神鑑定によって刑事責任能力の有無を調べられることになる。横浜市の旧大口病院で起きた看護師による入院患者連続殺人事件を引き合いに、「黒い介護士」とも称される彼女の素顔とは――。

「彼女が茨城県警に殺人容疑で逮捕された12月8日、たまたま夕方のニュースを見ていたんですが、まさかあの恵美ちゃんじゃないよねって。テレビに映っていた写真は学生時代とはだいぶ雰囲気が変わってましたけど、目元に面影があったんです。そしたら他の同級生からもラインが来て、やっぱりっていう感じで」(高校時代の同級生の女性)

 茨城県の西端で、栃木県との県境に位置する古河市。赤間容疑者は市街地から車で20分ほど離れ、周囲を畑に囲まれた実家で育った。

 近隣の住民は「恵美ちゃんは明るくて、いつもニコニコ笑っている子だった。小さい頃は柔道も習って活発でしたね。確か、下に弟さんがいて、お父さんも地域の野球指導とかを熱心にやっていて。どこにでもいる普通の家庭という印象ですよ」と話す。

謎に包まれた足取り

 本人は中学卒業後、看護学科のある県立の高校に進学し、5年間通って看護師の資格を取得した。

 前述の同級生の女性は「成績が優秀なだけでなく、良く冗談を言ってみんなを明るくするムードメーカー。2006年に卒業したあとは、埼玉県内の大きな病院の看護師になったはずです」と振り返る。

 順風満帆に見えた人生だが、事件の舞台となった「けやきの舎」に20年4月に転職するまでの数年間について、赤間容疑者の足取りは謎に包まれている。

「県警の発表では高校卒業後、計3年ちょっとは、埼玉県と栃木県の病院で看護師をしていたようです。容疑者本人のフェイスブックをみると、2012年頃には高校時代の友人たちと横浜や京都を旅行する姿が写真付きで投稿されています。一方で、どこでどんな仕事をしていたのかという情報については全く出てきません。その間に起こった何かが、真面目で明るかった看護師の人生を狂わせてしまったのでしょうか」(地元紙記者)

 そもそも赤間容疑者は、現場となった「けやきの舎」でも、当初は介護職員ではなく、看護師として勤務していたという。ところが、就職からわずか2カ月後の20年6月に、なぜか介護職に配置換えになっているのだ。

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