東大前刺傷事件の「名古屋の17歳高2少年」の量刑は? 「18・19歳かそれ以下か」「改正少年法」施行直前の駆け込み犯行の指摘も

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親からのプレッシャーも

 大学入試共通テスト初日の15日朝。試験開始直前にテスト会場である東大弥生キャンパス前の歩道で、受験生ら3人が包丁で刺される事件が発生した。殺人未遂容疑で逮捕されたのは、名古屋市内の高校2年生(17)。警察の調べに対し、「成績が上がらずに死のうと思った」などと語っているが、この少年への量刑はどういったものになるのか。

「少年は3人を襲った後、キャンパス前にいた東大職員に向かって、“オレはもう死ぬしかないんだ!”などと叫びながら、自分の腹に包丁を突き付けたと言います。警備員らが“落ち着いて”と声かけると、包丁を地面に放り、おとなしくなったということです」

 と、社会部デスク。

「少年は名古屋市内の名門中高一貫校の2年生で、犯行前日の14日、学校を無断欠席していました。少年の親が行方不明届を出す一方で少年は深夜バスで東京へ向かい、午前6時ごろに東京駅に到着。地下鉄を乗り継ぎ、現場近くの地下鉄メトロ南北線・東大前駅にやってきたようです」

 少年が3人を襲っているころ、東大前駅の改札などで駅員が「出火している木片」を発見し、消し止めていた。

過去に懲役5年の判決も

「少年が持っていたバッグからは、着火剤に加えて可燃性の液体が入ったペットボトルが見つかっています。少年は駅の放火への関与を認める供述をしており、ペットボトルを火炎瓶のようにして使おうとしたのではないかと警視庁の捜査員は見ています」(先のデスク)

 少年は調べに対し、「医者になるために東大医学部への入学を目指してきたが、ここ1年、成績が上がらず失望していた」などと供述しているという。

「“人を殺したうえで切腹しようと考えた”とも話しているようです。少年は親から成績が思ったように上がっていないことを何度か指摘され、気持ちが塞いでいたのではないかという話もあります。あえて東大までやってきて、他人を巻き込んで犯行に及んだ背景には、そういった感情があったのかもしれません」(同)

 とはいえ、それが無差別テロのような凶行を正当化する理由にはなるはずもない。

 では、この少年の量刑はどういったものになるのか? まずは過去の類似する事例を見てみると、例えば、2016年12月に倉敷市で起こった事件では、姉を包丁で切りつけたとして、殺人未遂罪に問われた元少年に、懲役5年の実刑判決が言い渡されている。

 犯行当時19歳だった元少年は自宅リビングで、包丁で姉の頭や手、首を切ったり刺したりして大けがを負わせた。判決では、「元少年が就職活動をしていなかったことを姉に知られ、父に伝えられて信頼を失うのを恐れたこと」が主な動機と指摘されている。

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