オミクロン株は“コロナ終息のサイン”か 弱毒化の兆候も

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「全員入院を見直すべき」

 政府分科会の尾身茂会長ら専門家有志は、医療体制が手薄な年末年始について、無症状を含めて全員入院の方針を見直すよう提案したが、その後についても矢野医師は、「全員入院を見直すべきだ」と、こう訴える。

「1月から3月初旬は、コロナ禍でなくても救急を断ることがあるほど、病院が忙しくなる時期。いま中国でインフルエンザB型、アメリカでA型が出はじめています。日本でも流行すれば、インフルエンザから肺炎に進行した患者さんも増えます。それに、この季節は脳卒中や心筋梗塞も増えます。コロナで入院するのは呼吸困難な人に限定して、隔離が必要ならホテルですべきです」

 未知の点があるとはいえ、オミクロン株の重症化率や症状に鑑みるに、全員入院が過剰な対策であるのは明らかだろう。そのために医療が逼迫しうるなら、本末転倒も甚だしい。

 しかし、オミクロン株がさらに変異するなど、強毒化するなら話は別だが、寺嶋教授はこう述べる。

「その可能性は高くはないでしょう。オミクロン株のさらなる変異、まったく新しい変異株の出現と、二つの可能性がありますが、前者に関しては、デルタ株も各地域で細かな変異を重ねましたが、すごく強毒化したケースはありません。後者は、そういうものがある地域で出ることはありえても、各国に蔓延する可能性は高くないと考えます」

終息途中の段階か

 感染爆発している欧米各国が微温的な対策にとどまっているのは、オミクロン株を恐れていないからだろうか。それはうがちすぎかもしれないが、松井准教授はこんな見方を披露する。

「100年前のスペイン風邪は第3波で収まりました。終息理由ははっきりとは解明されていませんが、諸説あり、一つは集団免疫ができたということ。ほかには、病原性が下がったということ。私はその両方ではないかと考えます。では、オミクロン株に関してはどうか。私の推測の域を出ませんが、オミクロン株の登場が、新型コロナウイルス感染症終息のサインの可能性は、あると思う。終息途中の段階の一つではないか、というのが私の考えです」

 矢野医師も主張する。

「ウイルスが進化の過程で、感染力が強く弱毒化した変異株を作らざるをえないのは、自然の流れです。いま風邪のコロナウイルスが4種類ありますが、それらも新型コロナ同様、かつて大流行し、鼻水やのどの痛みなど、風邪の症状で終わるようになったと思われます。この新型コロナも、病原性が落ちて重症度が減り、近いうちに5番目の風邪のウイルスになると思います。私はオミクロン株、もしくは次の変異株でさらに病原性が低くなったとき、そうなると考えています」

 ウイルス自体への包囲網も狭まりつつある。

「経口薬も今後続々と登場するでしょう。ファイザーやシオノギの3CLプロテアーゼ阻害薬には、かなり期待します。机上の理論では、1996年以降、死者を劇的に減らしたHIVの薬と同じ作用機序で、今後の変異株にも対応できそう。今年度中には使えるようになると思います。ワクチンもCDCによれば、3回の接種でオミクロン株の感染予防効果が7割5分だといい、依然、大きな役割を果たします」(同)

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